近い将来、アメリカ・ワインの関税が撤廃となる可能性が高いのだそうだ。そうなれば以前チリ・ワインの関税撤廃でチリ・ワインのブームが起きたように、こんどはアメリカ・ワイン・ブームが起きるかもしれないとのみかたもあるようだ。
カリフォルニアのZAP(ジンファンデル愛好家&生産者連盟、通称ザップ)は、300社のワイナリーと5,000名の消費者愛好家から構成される非営利団体。
そのZAPの上級コンサルタントであるリチャード・フローレンスさんによる「ジンファンデルの地域性」のセミナーが開催されました。
フローレンスさんは、いわゆるカリフォルニアの人らしく、インテリながら、非常に気さくでオープンマインドな印象の、おしゃべり好きな感じのおじさん。まるで生徒に人気のある校長先生みたいな方でした。
さて、そのワインですが、濃くて深みのある色合い、ダークチェリー系の香り、パワフルで熟成感、凝縮感のある酒質、しっかりとしたストラクチャーと、カリフォルニアのジンファンデルは非常に完成された味わいのワインであると感じた次第。
それもそのはず、カリフォルニアのワインメーカーは皆さん素晴らしいく優秀な方ばかり。ジンファンデルに関してはもちろんですが、たぶんワイン造りに関しても世界最高峰の研究が行われ、その研究結果にもとづいてブドウやワインを生産している結果ではないでしょうか。
驚いたことにジンファンデルの種類は約700種。イタリアのプリミティーボと同じブドウ品種とも言われますが、DNAを調べた結果では、「ジンファンデル」はイタリアの「プリミティーボ」やクロアチアの「クレニャック」と親戚ではあるが、同じではないのだそうだ。
しかし海外から持ち込まれた品種なのは確かで、ウィーンからニューヨークへ持ち込まれたのが始まり。その後ゴールドラッシュに沸くカリフォルニアへ移されたのが1852年~1857年。その後にはフィロキセラの被害に襲われたりもしたのだが、ジンファンデルだけは生き残ったのだそうだ。
そればかりかジンファンデルはカリフォルニアの気候に良く適合し、ブッシュ・スタイルと呼ばれる植えっぱなしで100年を超える古木が多くあるとのこと。古木はもろくすぐに折れてしまうのだが、いまだにブドウの実を付けるようだ。
イタリア系が多かった様なのだが、そんな移民の人達が植えた古木と、カリフォルニアの最新技術との融合が現在のカリフォルニアのジンファンデルと言えるようです。
今ではカリフォルニアのジンファンデルはプレミアム・ワインですが、それでもカベルネ・ソーヴィニョンなどに比べれば、かなりの割安感があるような気がします。
ゴールドラッシュでほとんど無法地帯だった地域へ移って来た人達の子孫は、やっぱりものすごく前向きでガッツある人達。「ワインで天下取ったるわい!」みたいなガッツがワインにも表現されているような気がした次第です。
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