フランス、クラブ・パッション・ドュ・ヴァンの伊藤先生のブログが伝える今年のボジョレーの状況では、2012年は100年に一度といってもよい程の難しい年になったとのこと。
どこも収穫量が極端に少なく、例年の30%~50%しか収穫がない。
しかし、そんな受難な年だからこそ、畑仕事に労力を普段の10倍は費やした自然派醸造家達のボジョレーは、「違いが明確」なのだそうだ。
写真はジャン・クロード・ラパリュの収穫
ワイン造りは一生に40回ぐらいしかできない。祖先が残した記録が難しい年にどの様に対処したか、どの様な心の持ち方をしたかの道しるべとなる。
その困難な2012年の状況とは、
1-2月の寒波マイナス18度を記録した。
2-発芽後の春先にも-5度の寒波でやられた。(量が少ない最大の原因)
3-開花時の悪天候による結実不良。
4-その上に5月から8月までの雨曇りによる湿気からくる病気の大発生。
5-その間に、数度にわたる雷をともなった雹の被害。
6-8月後半の3日間の極度な猛暑による葡萄が焦げる被害。
このような状況下で高品質のボジョレーを生産する自然派醸造家がとった収穫時の対策とは、質のために採算をかえりみず、少ない収穫量の中、究極の厳しい選別収穫を行なったのだそうだ。
健全なブドウのみを発酵槽に入れるために普通の収穫の4倍スピードが遅くなる”選定粒摘み”を行ない、ブドウ房の悪い部分の粒を切り落とす作業を収穫人に徹底させたのです。
気の遠くなる作業だが、この作業により一般的な2012年産のボジョレーとは「違いが明確」なワインとなる。
そんな「違いが明確」な2012年ボジョレーは歴史的な極少ヴィンテージになるのは確実。酒屋としては「割り当て入荷」みたいなことがなく、スムーズに入荷してくれることを祈るばかりです。
今年のボジョレーヌーヴォーは、ある意味非常に価値のある、希少価値の高いワインとなりそうです。それにしても高品質を目指す農家さんの自然との闘いは凄まじいですね!まったく頭の下がる思いが販売する立場のものとしてはする次第です。
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