”エレガントな酸が素晴らしいプティ・マンサン”
フランス南部のピレネー山脈まで40~50Kmの場所に位置する「ジュラソン地方」の白ワイン生産者で、特に三ツ星レストランのスターシェフ達に好まれているという「ドメーヌ・コアぺ」のセミナーに参加させていただきました。
「ジュラソン・・・・・いわゆるシュッド・ウエストのひとつでしょ」みたいな、かなりマイナー感ある印象ではありましたが、かなりの驚きのあるセミナーでした。
ジュラソン地方には約130ヘクタールのブドウ畑があるのだそうですが、そのうちの47ヘクタールはドメーヌ・コアペとのことでおそらくこの地域では最大。
また代表のアンリ・ラモントゥ氏の生まれはワインを造っていた家系ではなく、1978年より独学でワイン生産を行い高品質のワインを造りあげているというから素晴らしい。
そしてメインのブドウ品種であるプティ・マンサンは、この地でしかうまく育たないというから、高品質で評価が高く、さらに参入障壁の高い成長ワイナリーと言えそうです。
ドメーヌ・コアぺで最も高評価なのが甘口の白ワイン。ワイン生産を始めて間もない1988年に、甘口ワインのコンクールでいきなりソーテルヌのイケムやアイスワインなどに続き5位の評価を受けたのだとか。
またワイン関係の著名人が集まって行われた「オマールエビのバニラ風味に合うワイン」では、イケムなどを抑え、ドメーヌ・コアペの甘口ワイン「カンテサンス・デュ・プティ・マンサン ジュラソン・モワルー」が最も相性の良いワインとして選ばれたのだそうで、そのキレイな酸が素晴らしく合うのだとか。
そしてメンバーの一人であったロマネ・コンティのオーナーから、ぜひワインを購入させてほしいという申し出があったというから素晴らしいストーリーです。
またペアリングの第一人者と呼ばれ、ワインから料理を発想するスーパーシェフのアラン・サンドランス氏は、コアペの爽やかな甘口ワイン「ノブレ・デュ・タン ジュラソン・モワレー」を好み、このワインのために生のフォアグラをキャベツで包んで蒸す料理を開発したのだとか。
コアペの甘口ワインは、貴腐でもなくアイスワインでもない、独自のパスリアージュと呼ばれる方法で行われるとのことで、ブドウの房の付け根の茎を人の手でつぶし、人工的に水分供給を少なくし乾燥させる方法。収穫は真冬。
辛口ワインの方も同じくプティ・マンサンのエレガントな酸が素晴らしく、どことなくソーヴィニョン・ブランに似ている。
スーパーシェフの一人であるピエール・ガニェール氏は、春になるとコアペの辛口白ワイン「ジェゼージュラソン・セック」とアスパラガスのペアリングをメニューに載せるのだそうです。
穏やかで、キレイで、そしてしっかりとした酸のあるジュラソン地方のプティ・マンサンを主としたブドウ品種のワインは、甘口でも辛口でも、特にプロに好まれる食中酒としての素晴らしさと驚きがあると感じた次第です。
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カテゴリー:ワイン