専門誌「ザ・ニュー・ワールド・ワイン・エクスペリエンス」によれば、ブルゴーニュでは、ここ2ヶ月間の間に3回の雹の混じった嵐となり、ブドウ生産者は困難を極めている様子。
写真はブルゴーニュワインの聖地ロマネ・コンティ
ブルゴーニュの生産者は常に自然環境に対応してる。特に雨や湿度、それにともなう病気に対して。しかし2012年は特に大変な年となっているとのことで、ここ2ヶ月間で3回の雹をともなう嵐の被害を受けている。
コート・ド・ボーヌのワイン生産者の一人曰く、「こんなに困難な状況は誰にとっても経験がないほど」なのだそうだ。
3回目の暴力的で激しい嵐ではシャサーニュ・モンラッシェ、ピュリニー・モンラッシェ、ムルソー、オー・コート・デュ・ボーヌの畑に被害を与えた。この地域では、ほとんどのぶどう棚の列が東から西へ延びており、南に面したブドウが被害を多く受け、約50%ほどのブドウを失ってしまった。
状況を悪化させたのは、多くの農家がカビなどの病気を防ごうと、ブドウ棚の風通しを良くするために葉っぱを除去していたこと。それが雹による被害を大きくしたようだ。
2012年は最初から困難な年で、4月は寒く、雨が多くブドウの成長を遅らせた。その後は暑かったり寒かったりで、カビなどの病気には最適な状況となってしまった。
そして。そのカビなどとの戦いは大変な手間暇を必要とした。雨の中で機械をブドウ畑に持ちこめず、スプレー缶を背負って畑に入ってもらった。その結果、人件費はうなぎ昇りとなってしまった。
6月の初回の嵐で雹の被害にあったのはボーヌの一部、サヴィニー・レ・ボーヌ、ショレイ・レ・ボーヌの畑。その後、継続的な寒さ、長引く雨、ブドウの質の低下とカビの脅威があり、6月30日には2回目の雹をともなう嵐でボルネイやポマールが被害に合った。それ以来、雨が降ったり止んだり。
しかし、ネゴシアン経営者の一人は、確かに2012年は難しい年であるが、ワインのポテンシャルを予想するには時期尚早だとしている。「ブルゴーニュはミステリアスな場所。」「ワインが出来上がるまでは誰にも良し悪しが分からない。」「例えば2004、2006、2007、2008、2010のヴィンテージは難しい気象コンディションであったが、それを克服している」としている。
ワインメーカーの一人は生産量が50%程の減産と推測。「しかし最終的には、良いブドウが収穫できて終わる可能性がある」としている。しかし「問題はブドウがないこと」なのだそうだ。
生産量の少ないブルゴーニュワインの2012ヴィンテージは、さらに生産が減少する可能性大。果たして希少価値の高い、奇跡の年となるのか?注目したいですね。
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