専門誌「デキャンター.com」によれば、2012年シャンパーニュ地方のブドウの成長期は前例がないほどの困難な天候で、収穫量は大幅に減少の見通しなのだそうだ。
「デキャンター.com」の記事によれば、シャンパーニュ地方もブルゴーニュ地方と同じく非常に困難な気象状況で、ブドウの生育にとってここ数十年で最悪な環境なのだそうだ。
霜、雹の嵐、寒さ、長引く雨と、長くて不ぞろいの開花、カビや病気と、今までに経験したことがないほどの天候状況で、この先、収穫までに天候が回復して良いブドウとなる可能性はあるが、収穫は大幅に落ち込むことは間違いないらしい。
4月中旬の霜はシャンパーニュのアペラシオンの約10%に被害を与えた、特に酷い場所の被害は40%まで達した。その後の6月初旬には、非常に激しい雹の嵐があり、コート・デ・バールでは1000ヘクタール近いブドウ畑が被害にあった。いくつかの生産者は全てを失ってしまうほどだった。この被害は2013年の収穫にも影響し、1/3ほど減少させるとみられている。
寒さと雨でいつもなら数日間の開花期が、今年は4週間以上続きブドウにとって良くない環境だった。また、湿った天候は病気の被害も引き起こした。シャルドネー種はウドンコ病、ピノ・ノワールとムニエはカビの被害が出た。
アンボネの生産者も「4月から7月中旬まで酷い天候だった。」「雨は降り止むことがなく、カビや病気との格闘で1週間に7日畑で作業をしている。」「たぶん少なくとも40%のブドウを失った。シャンパーニュでは間違いなくここ数十年で最悪の年だ。」としている。
それでも、「天候が回復すれば良いブドウは収穫できる。」とのこと。
インタープロフェッショナル・デュ・ヴァン・ド・シャンパーニュという機関の分析担当者は、「前例のない天候の年となった。平均的収穫量は30%ほどの減少と予想するが、ブドウの質に関してはまだ悪い状況には至っていない。」としている。
ブルゴーニュと同じく収穫量が大きく減少するシャンパーニュ2012年、恵まれない天候や、病気との格闘の末に生き残ったブドウから造られるワインには、この状況がどの様に味わいに表れるのかが今後気になるところです。
それにしても、高いレベルを目指す農業は大変です。ワインってホントに大地と天気の恵だったんですね。
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