オーストラリアで最も有名なワイナリーであるペンフォールドやウルフ・ブラスなどを所有するオーストラリア最大で、世界でも2番目の大きさを誇るワイン企業であるトレジャリー・ワイン・エステーツが中国企業に買収されるとの憶測がオーストラリアで飛びかっているのだそうだ。
写真はペンフォールドの代表ブランドである「グランジ」
オーストラリアのプレスの伝えるところでは、オーストラリア・ワイン業界の供給過剰問題が数年後に改善される見込みがあることから、トレジャリー・ワイン・エステーツに対して、買収のための公開買い付けが行われる可能性が強くなってきていると、その筋のアナリスト達が語っているのだそうだ。
2011年5月に以前の親会社でオーストラリア最大のビールメーカーであるフォスターズから切り離されて以来、トレジャリー・ワイン・エステーツの株価はここ数ヶ月は下落傾向にあるがそれでも30%以上値上がりしている。
アナリストの話ではグローバルなワイン企業は間違いなく、このトレジャリー・ワイン・エステーツの所有する有名ワイナリーに興味を持っており、中でも中国系のワイン企業からの強烈な買い付けが入る可能性があると予想。
このところ中国でのオーストラリアワインの売り上げが急増していることもその追い風となっているようだ。
最も積極的に買い付けに動くと予想されるのはシャトータヌンダやイエリング・ステーションを所有するラスボーン・ワイン・グループ。その他にも上海を拠点にしているブライト・フードやサーベラス・キャピタル・マネージメントなどで、ブライト・フードは2010年に買収を検討していることが伝えられており、サーベラスCMは同じ年に約2千億円での買収に失敗しているとのこと。
アナリストはトレジャリー・ワイン・エステーツの買い付け戦争が始まれば4千億円を越える買収金額となるだろうと予想しているのだそうだ。
オーストラリアの国宝級とも言える伝統あるワイナリーを含む買収ですから、オーストラリア国民にしてみれば複雑な思いがあるのだと思います。また中国企業にしてみれば自国に巨大な市場を持っているわけですから、供給元からおさえてしまえばそのメリットは大きいわけです。
その中国で最もビールを販売する会社はイギリスの会社で、ワインを大量に販売する会社も日本のサントリーさんが所有してたりするわけです。酒屋にとってはあまりにもスケールの大きい話で、まったくピンとこないのですが、グローバル化に飲み込まれるとはこういうことなんですね。
グランジも中国人好みの味わいに変ったりするのかな(汗)!?
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