ブルゴーニュワイン委員会さんによるシャブリ・ワインのセミナーが開催されました。
写真はシャブリ委員会の会長さん。シャブリの村で一番古い1590年から続くワイナリーの現オーナーなのだそうです。
今回のワインセミナーはシャブリ委員会の会長さんと、日本の有名ソムリエさんの解説により行われました。
シャブリ村とは人口2,700人ほどの場所に、ワイン・メーカーが150社あり、年間3800万本のワインを生産する、まさに白ワイン一色の村。世界的に有名なワイン生産地で、白ワインのことをシャブリと呼ぶ国まであったほどなのだが、ブルゴーニュの中では地味な存在のためか、訪れる人はそれほど多くないのだそうだ。
日本は世界第2位のシャブリの輸入国で、ソムリエさんの話ではシャブリのトップレベルで生産量全体の2%しかない「シャブリ・グラン・クリュ」も、日本では意外に飲まれる方が多く、比較的輸入量も多いためファンにとっては恵まれた環境なのだそうだ。
シャブリの特徴であるミネラル感やピュアーさ、白や黄色の花っぽさ、フレッシュさは、なんと遡ること1億4千万年前のキメリジャン期よ呼ばれる時期に形成された石灰質の土壌によるもの。その当時のシャブリは海で、土壌にはエグゾジラ・ヴィルギュラと呼ばれる小さな牡蠣の化石を含んでいるのだとか。
シャブリ・ワインの塩っぽいニュアンスや、牡蠣との絶妙な相性はここから来ているのか!と納得した次第です。
「プティ・シャブリ」から「シャブリ・グランクリュ」までのテイスティング。フレッシュさのある味わいがランクが上がるにつれみつどを増し、複雑味も増し余韻も長くなります。
飲みものによってお料理を引き立たせることを「料理を昇華(しょうか)させる」と言うのだそうですが、「プティ・シャブリ」は食前酒やさっぱり系のお料理、ランクが上がるにつれ濃厚なお料理を昇華させるようだ。「グラン・クリュウ」クラスになるとコクのあるオマールエビやフォアグラを昇華させるのとのこと。
個人的にはシャブリの塩っぽさやフレッシュな酸味は魚介類を昇華させると思いました。また、だから魚介類を好む日本人にシャブリが人気なのだと感じた次第です。
今回は日本の有名ソムリエさんの解説がありましたが、同じワインを試飲しても、ソムリエさんの表現力、説得力は凄いですね。
ソムリエさんとは、ワイン単独での印象の世界観、また料理との相性の世界観を深く掘り下げて表現、説明される能力をお持ちの方々なんですね。表現方法はそれぞれ違うのだと思いますが、相当に味わいのバランス感覚に優れた方々なのだと感じた次第です。
人それぞれ味わいの感じ方は違って当然だと思うのですが、ソムリエさんが理路整然と味わいや相性を語れば、それで十分に納得してしまうから不思議です。それも決して嫌味に感じないで。
その辺を極められているからこそリスペクトされているわけですね。
ソムリエさんからのアドバイスがありました。「朝一番のシャブリはすっぱく感じるため、一口目は無視して二口目で感じましょう!」です。シャブリの持つ絶妙な酸味とフレッシュなミネラル感の良さが満喫できますよ!
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