ワインの専門誌「デキャンター.com」に掲載されておりました。
専門誌「ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス」に掲載されたテキサス大学の研究結果によれば、ワイン造りに適した地域は2050年までに25%~73%減少するとのこと。
地球温暖化などの環境の変化がワイン産地に与える影響に関する論文は、今回初めて掲載されたのだそうだ。
ブドウ畑は長い期間に渡って地質に影響を与え、また地下水にも著しく影響を与えているのだそうだ。
地中海沿岸のヨーロッパではブドウ栽培に適した地域が2050年までに68%減少する可能性がある。またオーストラリアでは地域により73%の減少の可能性。
チリのプレミアムワインを生産する地域でも同じように減少する可能性がある。水資源の利用は既に高水準であり、水資源に影響を与えている。また、2050年には降雨量も20%ほど減少すると予想されている。
しかし、ニュージーランドや北ヨーロッパの地域によっては、ブドウ栽培に適した地域が倍に広がる可能性もある。
北アメリカや中国でもブドウ栽培に適した地域は増える可能性があるとのことで、その中のいくつかの地域は高品質のブドウ栽培に最も適した地域になる可能性があるのだそうだ。
つまり、地球温暖化によりブドウ栽培に適した地域がより気温の低い場所へ移動することと、水資源が十分に確保できなくなる可能性があり、特に灌漑を利用してのブドウ栽培は持続可能なではなくなってしまうことが、現在の主要なワイン生産地域を減少させる可能性があるということでしょうか。
気になるのは「現在最高品質のブドウ栽培を行っている場所は、ここ数十年の間にその非常に高価な土地価格がどうなってしまうのか?」ってことと、「非常に評価の高い高品質なワインは、ヴィンテージが新しくなるほどに評価が低くなってしまうのか?」ということでしょうか。
有名ワイン産地では非常に高値でのブドウ畑の売買が行われているわけですが、「地球温暖化や水資源のことまで考慮して購入しているのか?」というのも気になるところです。
また、多くのブドウ産地が資源開発できる場所にあると聞いたことがあります。今後、特に灌漑の多いオーストラリアあたりでワイン産地が資源採掘の場所に取って代わられるとすれば、すごく残念な気がします。
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