グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたして「グランヴァン市場はバブルなのか?」もしそうなら、「今後そのバブルは崩壊するのか?」を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその26回目。
【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2008年8月から2013年8月末までの推移】
2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後は一方的なリカバリーに転じ3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。それ以降ダラダラとしなだらかな下げが続き、戻り高値から5%ほど下げたところでやや値を戻している。
インデックスベースではダラダラとした下げとなったが、その内容はインターネット上での高級ワイン業者間取引プラットフォーム Liv-ex で、まるでボルドーワインとそれ以外の高級ワインとの間での裁定取引が行われているような印象。
ボルドーワインが売られ、DRC、シャンパーニュ、スーパータスカンが買われているのだ。
2012年に引き続き、2013年も供給がタイトになることが反映されたのか、DRC、シャンパーニュ、スーパータスカンとインデックスベースで最高値を更新している。
最も値上がりしたのはスーパータスカンで8月のLiv-ex経由の取引全体の10%を占めるほどの人気。その中で最も注目され値を飛ばしたワインがオルネライア2009年。またサシカイヤ2006年や2008年も値上がりした。
一方、ボルドーワインの方は、シャトー・マルゴー2010年が今年の高値から16%安い1ケース$8,260 の最安値で取引された。また、シャトー・モンローズ2008年が1ケース$850で取引され、ここ半年間での最安値となった。
9月から高級ワインのオークションが世界各地で開かれるオークションシーズンに入るが、富裕層のワインコレクターがどれぐらいボルドーワインを買い上げるのかが注目したいところ。
高級ワインインデックスは含まれるワインのほとんどがボルドーワインであることから、このボルドーワイン売り、DRC、シャンパーニュ、スーパータスカン買いの傾向が続く限り、ワインインデックスのダラダラとした値下がり傾向は続きそうだ。
大型主力株であるボルドーの値下がりと、小型品薄株であるDRCなどの急騰。典型的な相場形成にあてはめれば、いわゆる相場の秋に突入しているような印象を受けます。しかし、株式相場などにあてはめても積極的にカラ売りする局面でもなさそう。
ワインインデックスで見れば、しばらくは迫力に欠ける展開となりそうです。
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カテゴリー:高級ワイン市況