中華系が主導した2011年6月のボルドーワイン・バブルのピークから5年以上経過。
2014年7月に底打ちしたとみられるボルドーワインをメインとする高級ワイン市場は、はたしてボルドーワイン・バブル崩壊の負の影響を払拭し、健全と呼べるような市場環境に戻ったのか?
昨今の世界の金融市場の混乱は、ワインの収集や投資に影響を与えるのか?
高級ワインの業者間取引サイトであるLiv-exでは、いったい何が起きているのか?
そして、ワイン価格はこの先値上がりするのか?
・・・・・・・・等々、そんな高級ワイン取引の状況を、酒屋のオヤジなりに推察します。
【ワイン・インデックス2011年11月から2016年11月末までの推移】
高級ワインの業者間取引サイトである Liv-ex の指数「Liv-ex Fine Wine 100」は、前月末から1.6%の上昇。
12ヶ月連続での値上がり、年初からの値上がり幅は23.8%。
10月から11月にかけて最も値上がりしたのは、シャンパーニュの「テタンジェ・コント2004(WA96)」で9.4%上昇して1ケースは£815.
スーパータスカンの「オルネライア2009(WA97)もほぼ同様の上昇で、9.3%上昇して1ケースは£1,202。
一方、これまで値上がり幅の大きかった「マセット2010」や「ヴュー・シャトー・セルタン2009」が最も値下がりした。「マセット2010」は8.6%下落で1ケース£4,602。「ヴュー・シャトー・セルタン2009」は5.6%下落で1ケース£2,050。
ここに来て、英ポンド建てでのワイン価格の上昇をけん引してきた、急激な英ポンド安の進行に歯止めがかかった様子。足元ではデイリーベースでのインデックスが横ばいで推移している。
いくつかの銘柄は、2011年6月の中華系ボルドーワイン・バブルのピークを上回る上昇を見せている。しかし、背景にある英ボンドの急落が止まったのであれば、今後は頭の重い展開となるのかも知れない。
また、中国政府機関とフランス企業のジョイント・ベンチャーである「ダイナシティ・ファイン・ワインズ」は、保有する大量のボルドーワインを支払などのためにすべて売却するとしている。
特にボルドーワインバブルで注目を集めた2008年ヴィンテージの価格に、値下げ圧力がかかる可能性が強いのではないか。
英国でも、流通在庫量が大きいとされているアン・プリムールで購入されたボルドー2011年、2012年、2013年ヴィンテージあたりの、英ポンド建てでの戻り待ちの売りが出て来ても不思議ではないと推察される。
為替相場次第ではあるが一本調子で上昇したワイン・インデックスも、そろそろ難しい局面を迎えることになるのかも知れない。
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投稿日:2016年12月4日
カテゴリー:
高級ワイン市況