「醸造アルコール」鑑評会の大吟醸にはほとんど入ってる

清酒メーカーの営業さんから資料として業界紙のコピーをいただきました。そこには聖徳銘醸の西岡取締役工場長による「醸造アルコール」に関しての記事が掲載されておりました。

酒屋には「酒は純米酒に限る!」というお客様は確かにおられます。しかし「酒は醸造アルコールを添加した酒に限る!」というお客様はたぶんおられません。

ではなぜわざわざ醸造アルコールを添加したお酒があるのでしょうか?

一応付け加えておきますが、このブログ記事は「純米酒」や「醸造アルコール添加」が良いとか、悪いとかの話ではありません。純米酒には純米酒の良さがあり、醸造アルコールを加えたお酒には、また違った良さがあると考えております。

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「吟醸酒の香りはカプロン酸エチルと酢酸イソアミルが主成分だが、これらは非常に水に溶けにくく、搾ると粕に香りが残ってしまう。ところが醸造アルコールを添加すると、その状態は大きく改善される。そのため、全国新酒鑑評会の出品酒は、ほとんどがアルコール添加の吟醸酒となる。」

「醸造アルコール」をわざわざ添加する目的とは、醸造中の発酵を安定して止めて、吟醸香を酒の中に閉じ込める効果が期待でき、「清酒の香りを高め」「スッキリとした味わい」にできるんですね。

江戸時代にはもう「柱焼酎」というアルコール添加の技法があったのだそうです。酒粕や米を原料とした焼酎を酒に混ぜて、保存性を高めていたとのことで、腐敗防止の役目をするとともに、味もしゃんとして嗜好品としての幅をひろげていたのだとか。

「アルコール添加」とは日本酒製造の伝統技法なのです。

では醸造アルコールとは何か?

原料として最も一般的なものは「廃糖蜜」で、これはサトウキビから砂糖を精製する工程で出てくる副産物。糖分は50%以上残っているといわれ、黒糖に似た風味。

これを発酵させて蒸留したものがラム酒。これを連続式蒸留器で再精製して不純物を分離し醸造アルコールにする。

純米酒には純米酒の良さがあるわけですが、アルコール添加の技術が確立されたことにより、また違った味わいの、よりバラエティーに富んだ味わいを楽しめるようになったわけですね。

 

 

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