「酒類の卸売業免許の要件緩和」が規制改革の検討項目に盛り込まれたのだそうだ。
酒屋さんの雑誌「酒販ニュース」さんの記事。
政府の行政刷新会議の「規制・制度改革分科会」が上記を盛り込んだ報告書をとりまとめた。3月に「規制仕分け」を経て閣議決定するとのこと。
その会の「農林・地域活性化ワーキンググループ」が改革案として挙げているのは2点。
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①洋酒卸売業免許の年平均販売基準(見込み)数量の見直し(緩和)
②全酒類卸売業免許の需給調整要件の大幅緩和
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①は農家やその団体がメーカーに製造委託した果実酒等を販売する場合に、小売免許は取得できるが、年間基準数量に満たないため酒類小売り業者に卸売りできないため検討すべきとしているものだが、現在ではすでに見込み数量を満たしていなくても免許を付与する取り扱いとなっているのだそうだ。
酒屋にとっては、今まで酒類を海外から輸入して個人や飲食店に販売することはできたのですが、酒類小売り業者に対しての卸しは数量の問題があり免許を申請しにくい状況でした。それが、数量を気にすることなく輸入卸の免許を申請できるのですから、少量の輸入卸しの商売が可能になるため有利に働く可能性があると思います。また、酒類の輸入卸しの商売を志す方も多く出てくる可能性がありますね。
②は、二国間・地域間の経済連携協定交渉に関連してEUが日本に求めたのだそうです。現在でも輸入品に関しての卸し免許は取得できるのですが、全酒類卸売業免許となると日本の地方で生産される清酒や焼酎も含まれます。
今後、国内での消費数量の減少が見込まれるにもかかわらず日本の酒類卸し市場に参入したいとの事なのか?日本の卸売業者が組織の再編を進めている状況下で、なおかつ中小の卸売り業者が苦しい立場にあり、こちらに関しては今後ひと悶着ありそうな気がします。
とは言っても、清酒、焼酎のメーカーは大部分が中小であり、なおかつ今でも非常に閉鎖的なメーカーも少なくありません。特定の卸し業者とも強い結びつきがあり、外国企業が簡単に割りこめる市場ではないと思われます。
もし、日本の全酒類卸売業に参入したいとすれば、食品市場全体のロジスティクスの一部として酒全体の卸売りも手掛けたいという事なのかも知れません。もし3月の閣議決定で上記の2点が決まれば、国内酒類業界は再度の大波乱となる可能性があります。インターナショナル企業にとって国内の酒類卸売り業者の暗黙の了解みたいなものは関係ないですからね。
上記の案がどのように決着するのか分かりませんが規制は緩和される方向にあります。酒類の国内消費は減少すると予想される中、海外や他業種からの酒類流通業界への参入もあるとすれば、酒類市場は益々混迷の度を増して行きそうです!
しょうがないから酒倶楽部ステップでも酒類の輸入業への参入の可能性を考えてみます!(汗)
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