埼玉県にある酒屋も今回の大震災の被害は受けましたが、だからと言ってまったく文句は言えません。皆が無事だからです。
あまりの自然の脅威の凄まじさに驚き、そして恐れるばかり。一瞬にして命を奪われたり、身ぐるみはがされて裸で凍える外に放り出された方々のことを考えると本当に胸が痛みます。
被災者の方々には心よりお見舞いを申し上げます。
こんな大変な時に、大して役にも立たない酒屋のブログなどで、大切な電力を使って良いものかと考え一時ブログの更新を休んでおりました。また店の片付けや、米や水を探して押し寄せて来られたお客様への対応で忙しくもありました。
割れた酒瓶。
今現在でも被害を受けた福島の原子力発電所での格闘は続いております。何とか早く収まって欲しいと思います。
以前読んだ金融関係の本で「ブラックスワン」というのがありました。いくら高学歴の統計学者が確率を計算しても、実際にブラックスワン(黒鳥)はいるといった内容なのですが。千分の一の確立でも、一万分の一の確立でも、起こるものは起こるのです。この自然の脅威に対して原子力発電所がそこにあるのは、どう考えても危険な気がします。
最近新聞で個人投資家が今回の災害でFXや株式のデリバティブで大きく損失を出した記事がありましたが、原子力発電所はデリバティブ取引での、プット・オプション(売る権利)の売りに似ていると思います。値下がりのリスクを引き受ける替わりに、プレミアム料を受け取れるのですが、今回のような予期せぬ急落があると膨大な額の損失が出てしまうのです。
ここで金融取引ならオプションの売りっ放しはやめよう!と考えるのですが、原子力発電所の場合には、そう簡単には行きません。
またまた以前読んだ本の話で恐縮なのですが、「人類は地球という名の持続可能な宇宙船で旅をしているようなものだ。」「だが、その宇宙船には定員があり、現在はその定員数をオーバーしていてテクノロジーでそのオーバーキャパシティーをカバーしている」といったことが書いてありました。
人口が増えればその分資源が必要です。また世界の人々の一人あたりの資源の使用量も増加しています。そんな中、核の存在は重要です。原発はクリーンエネルギーを地球に与え、核兵器は考え方の違う国へ睨みを利かせます。しかし、一たび問題が生じると地球は持続可能な宇宙船ではなくなってしまう可能性があるのです。また、そのリスクを統計学的に予想するのは危険な気もします。
地球は人間だけのものではありません。自然の脅威も予想ができません。オプションのヘッジは出来るかも知れませんが、核への100%のヘッジはありません。
今後、東日本では復興に向けて大きく動き出すのだと思いますが、今回の酷過ぎる災害の経験を活かして将来的に核に頼らない、自然の脅威に備えた持続可能な地球をつくりだす復興になればよいなと願います。
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