「酒粕漬け」酒粕料理の王道

先日の日経新聞夕刊、小泉武夫先生の「食あれば楽あり」のコラムに「自己流酒粕漬け」の記事が載っていました。先生は造り酒屋に生まれて、小さいころから毎日のように酒粕漬けを食べているのだとか。酒粕漬けが大好物なのだそうです。

酒粕を使った料理の王道ともいえる酒粕漬け。酒屋のオヤジも酒粕を取り扱う者として興味深くこの記事を読ませて頂きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先生は5年ほど前から20リットル容量の蓋付きポリ容器に酒粕を常時入れておき、そこにさまざまな材料を漬け込んで楽しまれているのだとか。減った分の酒粕は新しい酒粕で補う。容器の中で熟成も進んでペトペトとやわらかくなり、うま味もぐんと増えるため、こんな嬉しいことはないのだそうだ。

このところ絶妙なほど美味だと驚いて、時々漬け込んで食べているのが筋子。魚市場で買ってきた筋子を切らずに一本漬け。5日目ぐらいから、ひと口サイズに切って幾つかを出してきて、熱い飯のおかずにすれば、心洗われるほどの美味しさが味わえるのだそうだ。

また飯のおかずにしても美味しいし、酒の肴としても大層美味しいのがマダラ(真鱈)。今の時期大量に売られているマダラの切り身を買ってきて、塩を少し振り込んで1晩置き、表面の水分を布でよく拭きとってから酒粕に着ける。3日ほど漬け込んだものを焼く。

酒粕に漬けた魚は、火が強いと直ぐに表面が焼き焦げて台無しになってしまうので、火加減には細心の注意が必要。先生は焼き上がるまで、じっと様子を見ながら決してそこを動かないのだそうだ。

こうして焼き上げたマダラの粕漬けは、全体がキツネ色になっていて、そこからは焼かれた酒粕の香ばしい匂いがふんぷんと立ち昇る。またこの香ばしいマダラの粕漬け焼きには熱燗が良く合うのだとか。

酒屋の店頭で、酒粕を大量購入されるお客様がたまにおられるのですが、たぶん皆さん酒粕漬けで長い期間楽しまれるんですね。酒粕がぬか床と同じように注ぎ足しでずっと使えるとは、恥ずかしながら知りませんでした。流石は発酵食品ですね。

酒屋のオヤジもうまい酒を楽しむために、ぜひ酒粕漬けに挑戦してみたいと思った次第です。

 

 

 

 

 

 

 

 

信州地酒蔵の老舗、橘倉酒造さんの「酒粕(さけかす)」500g 300円

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