スペイン大使館経済商務部主催の、スペインのスターワインメーカーであるテルモ・ロドリゲス氏のセミナーに参加させていただきました。大盛況なセミナーでした。
スペインワインに階級のヒエラルキーはありませんが、ロドリゲス氏は「ベガ・シシリア」や「ピングス」などと並び、スペインワインの5大グランヴァンのひとつである「ラス・ベアタス」(年500本ほど生産)の生産者。
主にスペインの北西部にある、ブドウの古木の植わる放置された古い畑を復興させ、古き良きスペインワインを現在に蘇らせている生産者なのです。
<スペインのスターワインメーカー、テルモ・ロドリゲス氏と酒倶楽部ステップのワイン担当>
著名ワイン評論家のジャンシス・ロビンソン氏は、今後のワイン市場に関して、これからの10年は国際的ブドウ品種から土着品種へのシフトが起こるだろうとしています。
もしそうなら、世界で最も注目されるワイン産地がスペインになる可能性があるということでしょうか。
スペインのブドウ栽培面積は世界最大、しかしワインの生産量は世界第3位。古木が多く、降水量が少ないため効率が良くないのです。
また、ワインの輸出量は世界最大であるが、半分以上がバルクワインであるため、輸出総額では世界第3位。
ワイン消費量も減少しており、ここ30年ほどで1人当たりの消費量は半分以下に減少。
しかし、スペインには2000年以上前からブドウ畑があり、ワイン用のブドウ品種も無数にあります。しかも古木は贅沢にも株仕立て(垣根などなく1本1本が独立している)。
こんな、明らかに過小評価されているスペインワインを、多様性あるスペインのテロアールをいかして復興させるのがロドリゲス氏や他の若い生産者の挑戦なのです。
若いスペインのワインメーカーの中には、カナリア諸島の断崖絶壁にある古木からワインを造ろうとしている方もいるらしい。
スペインの株仕立ての古木から、小規模なワインメーカーが造るワインは今後の楽しみです。
ロドリゲス氏のワインはある意味個性的。曰く「ボトルの中に風景がある」と。
古いスペインの風景を感じるワインは如何でしょうか?
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