イタリアのアブルッツオ州北部、小規模ワイン生産者の多いテラーモ県のトラーノ・ヌオーヴォの生産者である、バローネ・コルナッキアの試飲セミナーに参加させていただきました。
その昔にナポリ王国よりバローネ(男爵)の称号を与えられた名門であり、16世紀末から代々ワイン造りを行っている歴史ある生産者さんです。
また、日本市場へは1991年に入って来たとのことで、そのインパクトのある味わいに日本でのモンテプルチアーノ・ダブルッツオ人気に火をつけたワインなのだそうです。
<バローネ・コルナッキア のモンテプルチアーノ・ダブルッツオ 各種>
25年前になぜこのワインが日本で爆発的な人気となったのかと言えば、それはそれまで日本人が経験したことのない濃い色と、はち切れんばかりの果実味、それでいてソフトな口当たりがうけたとのこと。
また、濃くて凝縮感のある味わいながら、洗練された印象のしまりあるストラクチャーも感じました。バローネ・コルナッキアならではの独自のスタイルを持ったワインと言えます。
ほとんど透けて通らないしっかりとした濃い色合いで、かすかに甘さを感じる力強さと、熟成によるたくましさ、しなやかさ、なめらかさのある味わいです。
また、白ワインの方も魅力ある味わいでした。
「トレッビアーノ」は濃縮感がありアロマティックでミネラル感を感じる味わい。80年の古木から収穫されるブドウを使い、フリーランのジュースのみを樽を使わずに仕上げてあるのだそうです。
土着ブドウ品種の白ワイン「ペコリーノ」はなかなか驚きのあると言えるかも知れません。コントログェツラDOCという非常に狭い地域で栽培される珍しいブドウなのだそうで、そのためか最近特に人気があるのだとか。
ミントを感じさせるようなハーブ感、ミネラル感、わずかな苦味を感じる、個人的に好きなタイプのワインでした。
写真は現在のバローネ・コルナッキアを受け継いでいるご兄弟。
オーガニック栽培、最新式のプレス、個性をより引き立たせる水平タンクなど、さらなる品質の向上を狙っているのだそうです。
アブルッツオ州はワイン生産者にとって、なかなか大変な地域のようで、イタリアで5番目にワインの生産量は多いのですが、その80%はバルク売りされ州外で瓶詰めされるのだとか。
つまりは、ワインファンにとって嬉しいことに、他の南イタリアのワインと同様にお得感あるワインの生産地なのです。
25年前に日本人が夢中になったワインは、今後も面白そうです。
※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります
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