ペットボトル入り格安ボージョレ・ヌーヴォーは幻になるかもしれませんね!
お酒屋さんの雑誌「酒販ニュース」より
仏ボージョレ・ワイン委員会のグザヴィエ・バルベ共同会長兼広報委員長がボージョレ・ヌーヴォー解禁日の11月18日にフランス大使公邸で会見。
「2011年中にAOCボージョレの生産規定を変更して、ペットボトルのボージョレ・ヌーヴォーへの使用を禁ずる条項を盛り込み、監督機関であるIAO(国立原産地名称研究会)からの承認を得る予定だ。」と述べたのだそうだ。
昨年からくすぶっているボージョレ・ヌーヴォーへのペットボトル容器使用の是非をめぐる問題だが、今年ペットボトル入りボージョレ・ヌーヴォーが日本の大手スーパー間での安売り合戦の道具に使われたことから、ボージョレワインが安ものワインのイメージを持たれてしまうことを危惧しているようだ。
ペットボトル入りボージョレ・ヌーヴォーをめぐっては今年の3月に同委員会がワインの安全性を理由にペットボトル使用禁止を決議したと伝えられたが、6月にフランス農務省が「ペットボトルはワイン容器として安全性に問題はない。」とし事態は一変したとのこと。
政府の見解の方がボージョレの委員会より当然上でしょ!ということで一気にペットボトルの導入に動いたようだ。それに、そもそも法的根拠となるボージョレAOC規定にはペットボトルに関する規定がなかったとのこと。
この問題では、そもそもペットボトルが安全かどうかが問題の本質ではなく、ボージョレ・ヌーヴォーのイメージが低下し、安物ワインになってしまうことを阻止するのがペットボトル禁止の意図。
フランス的なブランドイメージを利用した商売とは、かなりかけ離れた商売の仕方に怒っているのです。フルボトルで500~600円台のボージョレ・ヌーヴォーが登場していることについて「ボージョレ・ワインの質が重視されるべきだ!!」と怒っているらしい。
来年中にボージョレ・ワインのペットボトル使用は禁止となる可能性は高いと思われますが、そうなれば当然最低価格は引き上げられます。
クリスマスケーキの質と価格がピンキリなように、スーパーで安いボージョレ・ヌーヴォーが購入できるからといって、それがイメージの低下にはつながらないのではないかという気もします。余計に実際に誰が生産しているのか!?が注目される気がするのです。
日本のワイン市場は現在、相当に成熟していると酒屋としては感じます。消費者の皆さんはそれなりに自分好みのワインの味わいと価格のバランス感覚をお持ちです。
ボージョレ地区のワインにだって芸術的な品質のワインから料理酒的なワインまであるはずです。そんな中で、料理酒的なワインが低価格で販売されることも、日本市場の消費者のほとんどがある程度以上のボージョレ・ヌーヴォーの味わいを既に知っていますから、悪いことではないと思うのです。
より味わいと価格のバランスに注目する消費者が多くなるのではないでしょうか!クリスマスケーキのように!
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カテゴリー:ワイン