日本で人気のワイン輸入会社さん主催のフランスはベルジュラックの「シャトー・デ・ゼサール」のワインセミナーです。
ボルドーに隣接していて、ボルドーと同じようなブドウ品種が栽培されているが、そのベルジュラックというかなりマイナーな知名度のため、高品質にもかかわらず割安感の強い、輸入会社さん一押しの家族経営の生産者さんです。
お兄さんのローラン・キュセイと一緒にワイナリーを家族経営しているパスカル・キュセイさん。
「ゼサール」があるのはベルジュラックのソーシニャンという場所で、ボルドーからは約2Kmの距離。しかし、このたった2kmがワイン産地の知名度としては、「遥かかなたの場所のようだった!」とパスカルさん。
80年代にワイナリー運営に参加したころ、ニュージーランドのクラウディー・ベイのソーヴィニョン・ブランを飲んでショックを受け、独自の考えによる高品質のワインを造ろうと決意したのだそうです。
しかしワイン市場でのベルジュラックのイメージは低く、一時はリンゴ農家にでもなろうかと考えていたところイギリスのワインバイヤーに認められ輸出が始まったとのことで、現在でも販売量の80%は輸出なのだとか。
哲学者のようなパスカルさん曰く「私はワイン造りで絶対に金持ちになれない!」「ワイン造りが大好きで、独自の哲学を貫きコスト・パフォーマンスのワインを造るだけだ!」と。
大切なことは「常に畑を観察すること!」「分析表などをではなく、ブドウを実際に食べてみてベストな方法を選ぶ!」「常にオープン・マインドな考え方をする!」など自分自身で感じながらベストな方法を探るのだそうだ。
テイスティングでは白ワインに特に良さを感じました。辛口はパスカルさんご自慢のソーヴィニョン・ブランがメイン。繊細でクリーンな白い花のような印象ながら旨みも詰まっている感じの味わい。
また、白ワインの中でも極甘のワインは非常にコスト・パフォーマンスの高さを感じる品質。穏やかでメロンのような香りと、複雑味を持つ大人の甘味。
使用されているブドウの70%は貴腐ブドウで、残りの30%は木に付いたまま乾燥したパスリヤージュと呼ばれるブドウで、それぞれ味わいは違うのだとか。食べてみると貴腐の方はジャムのよう。パスリヤージュの方はドライフルーツの味。これらの味わいが絶妙で複雑な大人の甘味を造り出すようです。
ボルドーの高価な極甘ワインと比べると、かなりのお得感があるなと感じた次第。
輸入会社さんの資料には最後に「パスカルさんのワイン以上に魅力的なワインを見つけることはできません!」と書いてありました。
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