酒類の専門誌「ドリンクス ビジネス」に世界で最も販売量の多いワインブランドのトップ10が掲載されておりました。
金額は考慮しない、まったくの数量ベースでの世界ワイン勢力は、なかなか興味深いものがあります。
第十位 ジェーコブス・クリーク 2012年 6,900,000ケース(9L) 前年対比+1.5% オーナー:ペルノ・リカール
生産地であるオーストラリアで支持されていることと、中国へのプレミアムクラスのワインの投入が成功している。日本市場へはお寿司に合うワインを投入。
第九位 リンデマンズ 2012年 7,000,000ケース 前年対比 0% オーナー:トレジャリー・ワイン・エステート
オーストラリア、ハンターヴァレーをベースに創設者Dr.ヘンリー・リンデマンさんの哲学「ワインの目的の一つは幸福をもたらすこと」を受け継ぎ、お得で高品質なワインを生産している。
第八位 ベリンジャー 2012年 8,000,000ケース 前年対比 0% オーナー:トレジャー・ワイン・エステート
米国市場で人気のオーストラリアがベースのブランド。品質への評価も高い。
第七位 ロバート・モンダヴィ 2012年 11,220,000ケース 前年対比+3.3%オーナー:コンステレーションブランズ
カリフォルニアを代表するワインブランド。今年で設立100年を迎えるカリフォルニア・ワイン産業の大御所。
第六位 サター・ホーム 2012年 11,400,000ケース 前年対比+2.6%オーナー:トリンチェロ ファミリー エステーツ
1800年代にスイス、ドイツからの移民が小さなワイナリ―をナパ・ヴァレーを設立したことに始まる。ホワイト・ジンファンデルが1970年代に人気となる。高品質でお得なワインを生産。
第五位 イエローテイル 2012年 12,900,000ケース 前年対比0% オーナー:カセッラ・ワインズ
2001年に作られたブランドながら、アッという間にオーストラリアワインのビッグ輸出ブランドになった。日本でもお馴染みのブランド。
第四位 コンチャイ トロ 2012年13,640,000ケース 前年対比+5.2% オーナー:コンチャイ トロ
「日本で見かけるチリワインはほとんどココのワインじゃないの!?」ってぐらいのチリワイン輸出の大手。2012年はイギリスで販売量を伸ばした。
第三位 ハーディーズ 2012年 14,000,000ケース 前年対比+1.7% オーナー:アコレード ワインズ
イギリスで強力なブランド力を持つ南オーストラリがベースのブランド。日本ではまだこれからといった感じか。
第二位 グレート・ウォール 2012年 15,500,000ケース 前年対比+10.7% オーナー:コフコ・ワインズ&スピリッツ
中国のワインブランドが急上昇。世界のワイン産地で積極投資。中国ワイン需要の20%を狙う。
第一位 ガロ 2012年 16,000,000ケース 前年対比+6.2% オーナー:E&J ガロ ワイナリー
米国国内と輸出がほぼ同量。2012年は米国のモスカートワイン市場の42%のシェアを奪う。モスカートへの積極投資を進める。
小規模業者の多い伝統的ワイン生産国のワインブランドは、数量で世界の上位に入るブランドはないようです。
傘下にたくさんの買収したワイナリ―を持ち、積極投資を進め、巨大市場であるアメリカ、中国、イギリスの販売シェアをどれだけ奪えるかが販売量を伸ばすカギのようです。
でも・・なんだか日本市場とは状況が違うような・・・・!嗜好の違いでしょうか。たぶん、日本市場の嗜好とは、世界戦略での視点ではマイノリティーグループなんでしょうかね。
世界のワインメジャーにとって日本市場の攻略は意外に難しそうです。
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