大手清酒メーカー11社が結成した「日本酒がうまい!推進委員会」で日本酒の需要振興のための第一弾企画として「おいしい燗酒のコツ」のDVDが制作されました。HPからも見ることができます。
おいしく燗をつける方法として「湯煎」「電子レンジ」「業務用の酒燗器(湯煎)」での方法を説明しています。紹介されていた方法をまとめてみました。
アルコールは78度が沸点で蒸発してしまうため、燗をつける場合は50度以上にしては絶対にいけません。
1、湯煎で燗をつける場合。
お湯を鍋で温め沸騰したら火を止めてしまいます。徳利の肩あたりまでお湯に浸かるようにして、一合で熱燗が3分、ぬる燗が2分半を目安として燗をつけます。陶磁器の徳利は熱しにくく冷めにくい特徴があり、長く温度を保ってくれるのだそうです。
燗つけぐわいの見極めかたは温度計で測るのがベストなのですが、それ以外にも二つ方法があります。一つは徳利をお湯の中から引き抜き、徳利の底の部分に手を触れて見て、手が触れられるギリギリの温度ぐらいがよいのだそうです。もう一つは熟練のカンが必要なのですが、お酒の温度が上がって来ると、お酒が膨張して来ます。そのあたりを経験で見極めます。
湯煎で燗をつける方法は時間はかかりますが、よりやわらかい味わいに仕上がりベストな方法だと思われます。
2、レンジで燗をつける場合。
「自動で温めてはダメ!」500Wのレンジで一合の燗をつける場合は、熱燗で60秒、ぬる燗で50秒。レンジで温める場合はお酒の上部と下部で温度差があり、上部が下部に対して5~10度温度が高くなります。そこでマドラーでお酒をかき回し、温度を一定に近づけるのがポイントなのだそうです。
3、業務用の酒燗器を使う(チロリ)。
「チロリ」は湯煎で温めるのですが、アルミニュームのため熱電導効率が良く、湯煎でありながら熱燗80秒、ぬる燗60秒で燗がつきます。「チロリ」を使う場合のコツは、その場を離れないこと!(汗)
委員会はおもに飲食店さんに紹介して、燗酒の需要を掘り起こそうとされているようです。清酒業界が燗酒を全面に打ち出してアピールするのは、酒屋としては素晴らしいことだと思います。
ともすると冷やでの提案には沢山の清酒をそろえていても、燗酒となるとほとんど注力されていないお店さんも中にはあります。これはもったいないことです。燗酒ファンは確実に存在すると酒屋としては感じます。ならば燗酒も冷や酒と同じぐらいのこだわりを見せても良いと思うのです。
それに、燗酒をしみじみとお料理とともに楽しむ日本文化の素晴らしさは、きっと世界の人達にも伝わるはずです。
清酒は「ぬる燗」が最高だと酒屋のオヤジは思うのであります!!
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カテゴリー:清酒