体質的にお酒を受けつけないことには、日本人の成り立ちに関わる理由があるようだ。
アルコールは肝臓に運ばれて、そこで酵素の働きでアセトアルデヒトに分解され、続いて酢酸と水に分解される。
アセトアルデヒトは毒性の強い物質で、肝臓で分解されずに血液中に流れ出すと頭痛などの原因となり、二日酔いや悪酔いの状態を引き起こす。
その分解はALDH1とALDH2という2つの異なる酵素が行うが、私たちの中には、ALHD2遺伝子が正常に働かない人がいて、それがお酒に弱い人なのだそうだ。
この遺伝子は両親から受け継ぐのだが、両方セットで持っている人、ひとつ持つ人、全く持たない人の3つのタイプがあり、「お酒に強い人」「かなり弱い人」「とても弱い人」に分かれる。
日本人全体では、正常型を持つ人が56%、ひとつの人が38%、全く持たない人が4%とのこと。
変異型は中国南部を中心とした極東アジアの地域に多く、そこから離れると徐々に保有率が低下していく。
変異型は中国南部で発生し、その後に人の移動に伴って周辺の地域に人がっていったと考えられるようだ。
日本で変異型遺伝子を持つ人は近畿地方を中心とした中部地域に多く、正常型は東北と南九州、四国の太平洋側に多い。
日本人は、在来の縄文人と稲作を携えてやってきた渡来系弥生人が混血して成立したと考えられており、近畿地方では渡来系集団の影響が強く、九州の南部や東北などの周辺地域には縄文系の遺伝子を強く引き継いだ集団がいると考えられる。
つまり、異変型の遺伝子を日本に持ち込んが人が、渡来系の弥生人だと考えると、この遺伝子の分布の偏りが理解できるとのことだ。
世界のALDH2の変異型を持っている人の割合は、日本が23.9%、中国南部23.1%、中国北部15.1%、アメリカ南部6.1%、パキスタン周辺5.0%で、他にはほとんどいない。
お酒が弱いと感じる方は、渡来系の弥生人の遺伝子を強く引き継いでいるということのようですね。
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