中華系が主導したボルドーワイン・バブルによる2011年6月のピークから3年。
2014年7月に底打ちしたとみられるボルドーワインをメインとする高級ワイン市場は、はたしてボルドーワイン・バブル崩壊の負の影響を払拭したのか。
また、世界の主要国の株高による富裕層の増加にともない、ワイン収集やワイン投資などの人気は再び盛り上がるのか。
そんな高級ワイン取引の状況を、酒屋のオヤジなりに推察してみたいと思います。
【高級ワイン・インデックスの2010年6月から2015年6月末までの推移】
高級ワインの業者間取引サイトである Liv-ex の指数「Liv-ex Fine Wine 100」は、6月末の時点で244と、5月末から2ポイントの上昇。
2013年11月以来、前年同月比ではじめての上昇、2014年6月からの値上がりは3.4%。
Liv-exによれば、6月に取引が活発だったのがスーパー・タスカンやモンタルチーノなどのイタリア・ワインとシャンパーニュ。
そして、6月の末にリリースされるロバート・パーカー氏による「ボルドーワイン2005」の再評価での、評価の上方修正への思惑による取引。
ワインの投資家や、ワイン商にとって、ロバート・パーカー氏による評価は、今のところ最も重要なファクターであり、ハイエンドなワインに携わる者にとって、自身のワイン在庫の評価額にも関係する、まったくもって軽視できないイベント。
また、ボルドー2005ヴィンテージは、2009ヴィンテージに次ぐ「世紀の当たり年ワイン」と言われており、100ポイントの評価を受けるパーフェクト・ワインの誕生は少なくないと期待されている。
そんな現代のワイン業界のグルであるロバート・パーカー氏が100ポイントを付けた、ボルドー2005のパーフェクト・ワインは12銘柄。
驚いたことにメドックからはなし。8銘柄がサンテ・ミリオン、2銘柄がポムロール、2銘柄がペサック・レオニャンだった。
銘柄の詳細は、アンジェラス、オーゾンヌ、ベルヴュー・モンドット、シュバル・ブラン、レグリーズ・クリネ、オー・ブリオン、ラフルール、ラルシ・デュカス、ラ・ミッション・オー・ブリオン、パヴィ、ペヴィ・フォジェール、トロロン・モンドの12銘柄。
メドックで最もスコアが高かった銘柄はマルゴーで98+だった。
6月に値上がりが大きかったボルドー2005ヴィンテージは、オー・ブリオン+12%、ラ・ミッション+26%、シュバル・ブラン+14%。
しかし、市場全体としては大きな動きのない、静かな動きとなった。
2014ヴィンテージのパッとしないアン・プリムールにもかかわらず、市場は穏やかながら堅調であり、この堅調な流れは続くというのが市場のコンセンサスのようだ。
ワイン・バブル崩壊での2009~2011ヴィンテージの値下がりによる評価損の影響は、心理的にもワインの購入を慎重にさせているようで、2005年ヴィンテージ再評価の後は、価格に魅力がある銘柄が慎重に買われるような展開が予想される。
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カテゴリー:高級ワイン市況