“高級ワイン市況”の記事一覧

「加見蘭」中国ワインはボルドーを越えたか!?

ワイン専門誌「デキャンター.com」によると9月8日にロンドンで開催された、ザ・デキャンター・ワールド・ワイン・アワードの赤のボルドー品種10ポンド以上の部門で、このアワードが開始されて初めて中国ワインが受賞した。

 受賞したのは、中国西北部にある自治区「寧夏回族自治区(ねいかほいぞくじちく)」にある「宇夏賀生晴雪酒庄有限公司」=ワイナリー・ヒー・ラン・クィン・シューが醸す「加見蘭」=ジャベイラン 2009 カベルネ・ブレンド。

このデキャンター・ワールド・ワイン・アワードには25の部門の賞が用意されているが、そこに世界中から12,000以上のワインがエントリーした。もちろんそこには本場ボルドーやオーストラリア、南アフリカなどからプルミウムワインがエントリーしたとのこと。

この快挙を成し遂げた「ジャベイラン2009カベルネ・ブレンド」は、カベルネ・ソーヴィニィオン、メルローとカベルネ・ガーニッチのブレンド。カベルネ・ガーニッチとはカベルネ・フランやカルメネール系のブドウらしい。年間生産量は約2万本で、中国国内でしか販売はされていないとのこと。価格は日本円に換算して1,500円~2,000円。

ワインメーカーのリー・ディメイさんはボルドーのシャトー・パルメで経験を積まれて、2006年からこのワイナリーでのコンサルタントをされている。この地域の気候は極端で、夏は非常に暑く乾燥し、冬は気温がー25℃まで下がることがある程なのだとか、そのためブドウの木は冬の間は埋めてしまうのだそうだ。

このワイナリーは他にも、2008カベルネ・ソービニョンで銀賞を受賞している。その他の中国ワインでは新疆(しんきょう)ウイグル自治区のドメーヌ・ヒーランマウンテンが、クラシック・シャルドネー2008で銀賞を、リースリングで銅賞を受賞した。

ボルドーワインが好まれる中国で、ボルドーを越えるボルドータイプの中国ワインが生産されているのですからスゴイ話ですね。世界的なブランド力では、まだまだボルドーには及びそうにないとしても、今回の受賞で13億人の人口を抱える中国での認知度が高まれば、アッという間に幻のカルトワインと化してしまいそうですね!

ワイン業界で今後一番面白そうなのは、生産も消費も中国みたいですね!

 

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「グランヴァン市場」8月は調整。金融市場大荒れの影響か!

8月のグランヴァン市場は、世界的な金融市場大荒れの影響を受けてか、ワイン取引へのムードが悪化したとみられ一方的な調整となった。それに加えて、夏休みシーズンのため市場参加者も少なかったと想像されます。

高格付けボルドーワイン・インデックスは、7月初旬のピークから約7%下げている。

金融市場大荒れの8月は日本円、ゴールド以外は全て売られる展開となり、株安は世界中に連鎖。こんな状況下で、グランヴァン市場だけが強気の買いが入る市場心理とはならないようです。しかし、株式市場に関してはここにきて極端な悲観論は後退し、値ごろ感から買いが入っているようですね。

 グランヴァン市場もまた、9月に入りこのまま一方的に値下がりする展開とはならなそうです。9月に入ると、また香港、ニューヨーク、ロンドンとレアワインのオークションが開催されます。そこでは、またまた超レアワインの最高オークション価格が記録されそうなのだそうです。そうなれば、グランヴァンに対する市場心理も一気に好転することになりそうです。

さらにグランヴァン市場が好転しそうな理由として、中国で初のワイン投資ファンドが設立されるのだそうです。中国では国内の株式市場はさえないし、土地投資も制限されているため、中国の富裕層からのインフレーションをヘッジするようなメタルや穀物、アートなどへの投資意欲が強いのだそうだ。そのため富裕層のための投資ファンドが、近頃次々と誕生しているのだとか。

ちなみに中国初のワイン投資ファンドの名前は「DeRouge」。運用資金10億元(約1.56億ドル)の獲得を目指す。投資対象はボルドーやブルゴーニュのワイン。年間の利回り予想は15%だそうだ。

グランヴァン価格は、今後もまだまだ高い価格水準での値動きが続きそうですね。そして、その中でも超レアなワインに関しては、まだまだを値を飛ばすような展開が出てきそうな雰囲気ですね。

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グランヴァン市場はオランダのチュウリップになるのか?その4

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで、2011年までに約20倍まで高騰。はたして今、グランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えております。今回はその4回目。

 大ざっぱに見れば価格の値動きが似ていたゴールド価格とグランヴァン価格ですが、7月初旬を境にそれぞれの価格は逆行傾向を強めている。ゴールド価格は急上昇、グランヴァン価格は下落。

何でも最近の金融市場の不安定さと、今後も続く低金利政策を反映して安全資産としてゴールドが買われているのだそうだ。中国やインドなどではゴールドに対して根強い人気があり、価格が下がればそこを狙っての買いが待っているらしい。

一方、インフレヘッジでの資産ポートフォリオも含め、中国系からの熱狂的なボルドーワイン人気を受けて価格上昇を続けてきたグランヴァン市場は、中国国内での偽造ワイン問題や、高過ぎるワイン価格に対する警戒感からか、このところ様子が変わってきたようだ。ゴールドと違い安全資産とは考えにくいのも一つの理由でしょうか。

昨年、中国系に大人気だった高級ボルドーワインの代表的存在のシャトー・ラフィット・ロートシルトの2008年ヴィンテージは、昨年から26%の下落。ボルドーワインのインデックスとしてはピークから5%下落している。

 しかし中国市場に詳しいワイン関係者は、ラフィットのような売れ筋高級ワインの需要や価格がそうは下がるとは思えないと言います。これは中国の習慣と、中国人の面子を大事にする文化が関係しているとのこと。商売相手や政府高官への贈り物や、接待での飲み物では、ラフィットのような誰でも知っている高級ワインでないと面子を失うことになるのだそうだ。

例えば、商売相手や政府高官にペンフォールドのグランジやハーラン・エステートのワインを贈ったり、接待で使ったりしても面子を失ってしまう可能性が高いとのこと。それらのワインは大変に素晴らしい評価の高いワインだが、中国ではほとんど知られていないためだ。

中国市場では多くの高級ワインが売れているわけではなく、ボルドーワイン格付けピラミッドの、本当にトップのワインのみが人気で、後は中国でのワイン需要を当て込んだイギリスや香港でのワイン投機需要が今までの上昇相場をつくってきたとも言えるらしい。しかしほとんどのワイン投機家は中国にいるわけではなく、現場で市場を見ているわけではないため、彼らの思惑どうりの市場とはなっていないようだ。

今後、中国での需要にそぐわない、投機買いされた高級ワインの安売り合戦が始まる可能性もありそうですね。

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「グランヴァン市場」7月は価格、商高ともにセットバック!

7月のボルドー・インデックスは一方的な右肩下がりの価格形成となった。また商いのボリュームも減少した。

先月に注目された2010年ヴィンテージのアン・プリムールと呼ばれる先物での高値での売り出しの後、人気が付いて行かず2010年ヴィンテージはズルズルと値を下げました。2009年ヴィンテージに続いて2010年ヴィンテージが偉大な年となったため、既に2009年ヴィンテージを大量に保有しているコレクターが多く、同じように2010年ヴィンテージを購入しようとは思わないようです。

シャトーやネゴシアンは、通常よりも市場への放出量を抑え、在庫として通常よりも多く保有しているのだそうです。そのため販売量の減少の割りに、価格はそれほど下がってはいないとのこと。このあたりがボルドーワイン・インデックスにも影響している様子。

もう一つ、価格が調整する理由になったとみられる出来事がありました。

中国ワイン小売販売の大手、オージィーノ・セラーズがボルドーのメドック地方の高級ワインのプロモートをストップすると発表したのでした。理由は、それらの価格が高過ぎて危険過ぎると判断したため。それと、中国でのボルドー人気が落ち着いてきたことも理由の一つとのこと。オージーノ・セラーズは中国国内の100の都市に200店の店舗を運営する大手。

 シャトー、ネゴシアント、ワイン商は値段を崩してまで販売しようとはしないわけで、まだまだグランヴァン市場の高値水準での推移は続くと予想されます。しかし、今回のグランヴァン上昇相場の中心であった中国系からの買いが引っ込んだ事が鮮明になれば、グランヴァン価格は大きな調整を余儀なくされるかも知れませんね。

その時に「発酵させたブドウの搾り汁」は、「オランダのチューリップ球根」と同じような被害を人々に与えなければ良いのですがね~!

ま、あまり日本人は関係なさそうですが!!

 

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グランヴァン市場はオランダのチュウリップになるのか?その3

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで、2011年までに約20倍まで高騰しました。はたして今、グランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えております。今回はその3回目。

 今回は、かなりオカルト的ではあるのですが、過去の価格変動パターンに注目したテクニカル分析をしてみたいと思います。20年~25年ぐらい前でしょうか、米国のプレクターさんという方が、エリオット波動理論と呼ばれる分析方法でゴールドだったと思うのですが、将来の価格をピタリと当ててニューズウィーク誌に紹介されていたと記憶しております。

いわゆる”金融ポルノ系”の「これで貴方も億万長者!」的な方法ではないと思うのですが。

ボルドーワイン・インデックスの値動きと、その波動(ウエーブ)①~⑤。

 すごくオカルトチックで、演繹法的な説明ではまったくなく、かと言って帰納法の説明としても説得力があるとは言い難いため、市場分析の説明として使われることはないのですが、知っている方は少なくないと思われます。

 エリオット波動理論では、大きな上昇波動は上昇と調整をくりかえし5つの波動からなるのが基本。しかし、動きが細かくなると最大で9つの波動が現れる可能性もあるとされています。そしてその中の上昇の波動①、③、⑤の中の2つは、ほぼ同じ幅になるとされているのです。

大ざっぱな手書きで恐縮なのですが、上のボルドーワイン・インデックスの動きを見ると 1988年から確かに5つの波動を形成していて、その中で③≒⑤となっているのが見てとれます。そこから推察するにエリオット波動理論では、グランヴァン市場は現在ピークに達しているということになります。

では、いつそのピークから調整/下落が始まるのか?ですが、ピーク時の価格形成にはいくつかのパターンがあるとされています。その中には逆V字方、ダブルトップ、ヘッド&ショルダー、ダイヤモンド・・・・・etcとあるとされています。つまり、逆V字方で急落するか、そうでなければ、それ以外のいずれかのピーク時価格変動パターンを形成して(ピークの価格帯で上がったり下がったりして)調整/下落へと移って行くということになるのです。

 そして、調整/下落した場合の目標価格ですが、これは上昇幅に対してフィボナッチ数からくる38%と62%の下落が目標となるとされています。20倍に上昇した後の38%とか62%ですから相当大きな価格変動で、まともに考えたらそこまで下落するとは予想しにくいですよね。この辺りのテクニックを使って20年~25年前にプレクターさんは予想をピタリと当てたようです。

エリオット波動で予想したようにキレイに価格形成されるとは思いませんが、グランヴァン市場はピークか、ピークに近い場所に居る可能性は高いように思えます。今後のピーク・フォーメーションと予想される価格変動に注目です。

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