女房殿に誘われて、有楽町でボルドーワインのドキュメント映画 「世界一美しいボルドーの秘密」 を見てきました。
ワイン業界で大物と呼ばれるような方々のインタヴューを交えた、ここ数年のボルドーワイン業界の話。また、近年のボルドーワイン・バブル形成のメインプレーヤーであった中国人ワインコレクターの方々も登場しました。
この映画の原題は「RED OBSESSION」ですが、ホントに ”取りつかれてるわ(汗)!”みたいな映画。急激に大金持ちになり有名ボルドーワインを買い漁る中国人と、その需要にできるだけリスクなく対応しようという有名シャトーのドキュメントです。
中国社会でのお酒に対する考え方が中国マフィア映画のセリフに見て取れるのだそうで、「・・・・・・・ラフィー82以外はカスだ!・・・・」と。
中国で最も影響力のあるワインがシャトー・ラフィット・ロートシルトで、中国人はそれを「ラフィ―」と呼びます。
ボルドーのヴィンテージで最も評価の高いのが1961年、次が1982年、その次が2009年(100年に一度と呼ばれるヴィンテージ)。そのため、ほとんどの中国人ワインコレクターが欲しがるワインが、古さのちょうどいい「シャトー・ラフィット・ロートシルト1982」となるようだ。
上の写真に写る人物は中国の大物ワインコレクターの一人。大人のおもちゃの製造販売で稼いだお金で主にラフィットを買いまくる。今までの購入額は60億円ぐらいになるという。
オークションで欲しいワインがあれば、値段に関係なく手をあげっぱなしにするのだとか。
また、他の女性のワインコレクターも欲しいワインがオークションに出されれば ”絶対に落とす!” とのことで、7千万円ぐらいで競っていた商品を一気に1.5億円ぐらいに跳ね上げて落札したと語っていた。
また中国人にとってはそれらのヴィンテージ以上に大切なヴィンテージがある。それが「8」で2008年ヴィンテージ。ラフィットの2008年ヴィンテージのボトルに「八」の文字が刻まれると決まり、マカオから即金での大量の買い注文が入ったのだとか。
一方のシャトーは、中国人の要求に素直に応えていたらヴィンテージワインの在庫は底を付き、セラーは空っぽになってしまう。将来の商売に対するリスクとなるため、値段を上げて小出しにするしか対応できないと。
・・・・・・ますます市場はバブル化するわけです。
そして、高名なワイン評論家の方々に、そんな方針を酷評されてしまう。
そしてバブルは弾けた!もう二度と同じようなことは起こらないでしょう。
・・・・・・・・でも、今や中国人の大金持ちの人数はアメリカの人数を超えたとも言われます。また中国人はますますワインを飲むようになってきたようです。
ちょっと前には「もし中国人が欧米並みに缶コーラを飲むようになれば、砂糖やアルミは・・・・・・・・(汗)!?」みたいな話がありましたが、「もし中国人の一人当たりのワイン消費量が欧米並みになれば・・・・・・・・・・・・」みたいなことを考えれば、ボルドーやブルゴーニュの価格が一昔前の水準にまで戻るようなことは考えにくいかも知れませんね。
やっぱりボルドーはボルドーであって唯一無二なんですね!崇高さがあると言えるのかも知れません。
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カテゴリー:高級ワイン市況