“酒屋の株話”の記事一覧

「酒屋の株話」建築ラッシュと日本株

 

 

米国株にとって9月は歴史的に最悪の月なのだとか。その一方で株は5月に売って9月に買えという格言がある・・・・・9月に下がったところを買えということなのだろうか。

米国株市場はナスダックがややセットバックしている印象はあるが、総じて堅調に推移している。

一方の日本株は・・・・・相変わらずもがいている。大阪や北海道での災害が株式市場の停滞ムードをさらに色濃くしている印象だ。

日本人にとってはまったく他人事でないため、当然の心理状況と言えるのかも知れないのだが。

東京証券取引所の売買に占める空売り比率は、相変わらず40%を超え続けている。短期投機筋による空売りは引き続き回転が効いているようだ。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・なんだこの建築ラッシュは!?」と感じるのは筆者だけだろうか。ここ埼玉県でも感じるが、たまに東京に出かければ、平成バブルどころではないほどの建築ラッシュに驚く。また立派な新築大型ビルも急増している。

東京オリンピックを控えていたり、節税効果があったり、低金利だったり、投資需要が強かったりと様々な理由はあるにせよ、この先ほぼ確実に日本の人口が減少して行く環境下にあって不可解な話ではないか。

どこからそんなに新しい建物を使う人が出て来るのだろうか。なんだか不思議な気がする。

 

そんな都心部の建築ラッシュと、強気になれない日本株に対する市場心理は、かなり矛盾しているように思う。

ひょっとして、株式市場の参加者たちは東京オリンピックの後を見通して強気になれないでいるのか。オリンピック後にレガシーコストが重荷になるのは、たぶんもう予想されている話だ。

平成バブルの時代には、値上がりしていない株のことを”出遅れ銘柄”などと呼んだ記憶がある。今はそんな出遅れ銘柄が当時以上に多そうだ。少なくとも建築ラッシュにはかなり出遅れている。

 

参加者の多い株式市場では、市場心理の変化や投機筋の動向などで、業績や将来性を無視して価格が乱高下する。

このまったくもって過熱感のない市場の歪みに逆張りで挑むなら、忍耐力を持って乗り切るしかなさそうだ。

 

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「酒屋の株話」空売り屋の市場

 

 

世界一著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏が、6年ぶりに自社株買いを実施したのだそうだ。

PBRが1.2倍を超える株価水準では買い戻しを実施しないと明言していたが、有望な投資先が見つからないため実施条件を緩めてPBR14倍程度で実施されたとのこと。

 

 

 

 

 

 

【ミルランダージュと呼ばれるぶどうの粒が不ぞろいなぶどう。今年のぶどうは今の株式市場と同じく、栄養や水分が公平に配分されていないようだ】

 

2018年の米企業による自社株買いは約110兆円規模に達し、2000年以降では最高額となり好景気と法人税引き下げが空前の自社株買いブームを生み出しているとのこと。

カネ余りによる過剰流動性は、米IT企業など一部の株と米国の自社株買いにのみ流れ込んでいるかのようだ。

他方で日本企業にはまったく興味がない様子。将来性があって割安であってもまったくスルーされている感じがするからさみしい限りだ。

世界一の投資家も含めた米国の過剰流動性が米国株のみに注目していることが、現在の日本株の価格形成に影響を及ぼしていることは間違いなさそうだ。

東京証券取引所の売買に占める空売り比率は、相変わらず40%を超え続けている。まるで日本株市場では、カネ余りによる過剰流動性が短期での空売りにのみ流れ込んでいるかのようだ。

ひょっとしたら日本株市場のことは、国内外問わず参加者から単なる投機の場ぐらいにしか見られていないのかもしれない。

日本株市場の空売り人気とは裏腹に、ナスダックは最高値を更新中。

もうひとつの大きな影響力としてAIによる取引があるのかもしれない。「AIって、ひょっとしてトレンドフォローしかやらないの!?」みたいな気もする。少なくともバリューを買うようなことはしなさそうだ。

株価の歪みをつくり出しているひとつの要因であることは確かだろう。

それでも理不尽な歪みはいずれ修復されるのだと思う。

日本昔話のサルカニ合戦に例えれば、ナスダックや日本株の空売りは おにぎり で、日本の割安な成長株こそが 柿の種 だと信じたい。

 

 

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「酒屋の株話」中小型株のワナと誠実性

 

 

東京証券取引所の売買に占める空売り比率は、相変わらず40%を超えている。

短期で利益を得ようとする空売りの回転が効いているということか。また、空売りの買戻し以外に積極的な買い手がいないということでもあるようだ。

マクロ環境の不透明感による市場心理の悪化。流動性リスクの高い日本の中小株から資金が逃げ出したことが発端となり中小銘柄の株価は値下がり。

積極的な買い手不在のなか、短期の空売り筋は買戻し、その買戻しに新たな空売りがぶつかるような状況が繰り返され、相場は軟調に推移。

中小型株特有のワナがあるようで、ファンダメンタルズや割安感はまったく関係のないテクニカルな問題と推察する。

それでも、そんな理不尽とも思えるアンダープレッシャーは永遠ではない。何かがきっかけとなり逆回転が起こり、理不尽な歪みは修復されるのだと思う。

それは空売りの回転の行き詰まりなのかも知れないし、新たな材料による反応なのかも知れないし、また単にインパクトのある買いが入ることなのかも知れない。

ここは投資家としてのブレない態度が試されているような気がする。

 

 

 

 

 

 

<写真は日本経済新聞の記事>

日経新聞に「性格が資産形成に及ぼす影響」という記事が掲載されていた。資産運用には知能指数以上に性格が影響しているとのことだ。

性格は5つの因子によって説明できるのだそうで、情緒安定性、外向性、開放性、協調性、誠実性に分かれる。

このうち、資産形成などの経済的成功に最もプラスの影響を与えるのが「誠実性」とのこと。

「誠実性とは、考え、言葉、行動に何の矛盾も食い違いもないこと」なのだそうだが、つまりはブレないことではないかと思う。

それでも、ブレないでいることは忍耐が必要だ。

このどう考えても歪んだ価格形成に対応するには、そんなブレない忍耐力が必要なようだ。

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「酒屋の株話」ショート

 

 

市場のコンディションを表す口語でショートとかオーバーソールドなどと呼ばれるようなコンディションがあるが、まさに日本株市場はそんな状況ではないだろうか。

その場合、次の展開はショートカバーによる上昇ということになる。それでも、なんだか今回の売り圧力はしつこそうだ。

 

 

 

 

 

 

マクロ環境の悪化はあるにせよ、この懐疑的過ぎるようなバイアスはなんだろう。

東京証券取引所の売買における空売りの比率などは、このところずっと40%を超えていおり、ひどい時には50%近い日もある。

おそらく今週の市場で感じた売り圧力は、先物売りや空売りの投機筋が主導したのだろう。

カネ余りの資金が空売り系ヘッジファンドに流入したり、個人に空売りが人気の手法だったりと、ベースには投資家の株式相場に対する懐疑心が横たわっているのかも知れない。

また、機関投資家のポジションはアメリカの主要ハイテク銘柄にもっとも集中しているのだそうだが、そのリスク許容度の低下(おそらくボラティリティの上昇)のたびに流動性の高い日本株を売るとすれば、これはかなり理不尽であり、道理的とは言えない売りだ。

いずれその理不尽なひずみは修復されることになるということではないか。

個人的には、日本株市場では強気の展開が結構長く続くとみているが、もしそうであれば強気相場形成の過程でこのやや過激な調整は健全な兆候とみるべきだろう。

もし株式投資の必勝法が、業績の拡大が期待される銘柄を、市場心理が悪化し投機筋に売りたたかれ、割安感さえ感じるレベルで購入する方法とすれば、今がそのベストなタイミングではないかと思う。

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「酒屋の株話」またもやいつか来た道

 

 

値上がりしている銘柄もあるにはあるが、一方的に下落している銘柄のなんと多いことか。

それも何か特別なことが起こったわけではないのに「なんだここの連日の売り圧力は!?」みたいな売られ方だ。

しかし、その連続して出て来ていた売り圧力は、今週半ばに急に消えた印象がある。

 

 

 

 

 

 

伝えられるところによれば、米中貿易摩擦の激化や世界的な金利上昇への警戒感などのマクロ的な要因で、投資家がファンドを解約したり、持ち高調整が入ったり、保有銘柄の入れ替えによる売りが入ったりしたようだ。

売らなければいけない持ち高を機械的にかつ継続的に売り、その売り圧力が急になくなったとすれば、それは「売りが出尽くした」と言うことではないか。

株式市場は上昇相場であっても、その過程で大きく調整することがしばしばあることは分かっている。

そして、そんな「下げ過ぎだろう!」みたいな、市場心理を悲観に変えるぐらいの調整は、素晴らしい買い場であることが多いことも分かっている。

前回はボラティリティの上昇によるリスクマネージメントの機械的な売りで相場は下落した。そしてその後に上昇した。

今回はファンドの解約などで、同じように特定の銘柄に売りが入り相場は下落。今回もまた同じような展開になるのではないか。

もちろん更なるファンドの解約でもあればさらに売りが入る可能性もあるのだが。

それでも、マクロ環境に起因するような理不尽とも思える成長株の下落には、買いかホールドで挑むことこそがベストな対処法ではないかと思う。

 

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