先日
面白い講演会に参加しました!
神奈川県藤沢市で
「メイヴ」というブドウから
ワインを造っている
株式会社ショーナンの
田中利忠さんのお話です。
田中さんは
大手電機メーカーのエンジニアとして
働いたのち
現在は 情報通信システム開発や
農業コンサルタントをされています。
会社近隣のおじいちゃんが
20年に渡って育てていたブドウを
農業法人でもあった田中さんの会社が
2019年5月に引き継ぎました。
その年、
ボランティアとともに
栽培し、100kgを収穫。
北海道余市のワイナリーで
委託醸造したそうです。
ハーフボトル150本を初出荷する際、
ラベルにブドウ品種名を表記する必要があり、
品種はわからないまま育てられていたので
財務省管轄の「酒類総合研究所」へ
DNA鑑定を依頼。
すると
「データベース上には品種を特定できない」という回答。
つまり
新発見の品種ということ!
新品種であるということで
「湘南ワイン・プロジェクト」と 銘打ち
本腰をいれて開発を開始したとのことでした。
ブドウを育てていたおじいちゃんの孫娘さんの
お名前が Maeve(メイヴ)さんとのことで
ブドウを「メイヴ」と命名。
※孫娘さんのお父さんはオーストラリア人
Maeveとは
アイルランド神話に出てくる女神の名前
それも お酒の神様ということで
ワイン用ブドウとしてはピッタリの名前です。
そして
このメイヴというブドウは
とっても育てやすくて
繫殖力が強いのだとか。
20年間育てていたおじいちゃんいわく
最初は いろいろなブドウを育てていたんだけど
病気になってダメになる樹もあり
結局残ったのが「メイヴ」だけだった。
もちろん
無肥料・無農薬で栽培されていたそうです。
なおかつ
育つのに場所を選ばないということが
分かってきたそう。
現在、
田中さんのプロジェクトの活動もあって
北は 北海道北広島から
南は沖縄 今帰仁村まで
メイヴは 元気に育っているそうです。
つまり
・耐病性
・耐寒性
・耐凍性
・耐高温多湿性
に優れている可能性があるとのこと。
こんなに
強いブドウだから
やまぶどうの仲間かなと
思われるかもしれませんが
ワイン用ブドウ種といわれる
ヴィティス・ヴィニフェラ種
なんだそうです。
現在
全国の様々な地域で
地域事業としてのワイン造りが
注目されています。
ただ、
ブドウの樹の苗木が不足しているという
現実があるのだとか。
ブドウの苗木は
高度な接ぎ木技術が必要で
山形を中心に数軒しかない国内の苗木屋さんでは
その生産量がかぎられているそう。
輸入するにも
植物防疫法という厳しい法律があり
1社あたりの輸入本数は 100本と
限られている。
そこで
メイヴの登場です!
メイヴは
接ぎ木の必要もなく
自根でも
元気に育つそう。
そして
寒くても 暑くても
大丈夫。
田中さんは
慶応大、日大、多摩大の学生たちと
産官学のプロジェクトとして
メイヴを育てています。
メイヴで出来たワインは
酸味がしっかりあって
カベルネ・ソーヴィニョンや
メルローに似ているというお話です。
残念ながら
この日試飲はありませんでした😢
でも
近いうちに私たちも
メイヴで出来たワインが飲める日が
来るかもしれません。
この講演会の主催者は
千葉県柏市で
すでに3年前からメイヴを育てている
農家のエグチライスファームさん。
手賀沼みらいワインプロジェクトとして
ボランティアとともに
メイヴを育てていくそう。
きっとワインになるのでしょう。
楽しみです。
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