昨日の日本経済新聞に「ワイン投資ファンド破綻」の記事を見つけた。
<日本経済新聞>
HPによれば、このファンドは日本で唯一のワイン投資ファンドとのこと。
約520人が出資した約36億円が未償還になっているとのことで、償還を受けられない可能性がある。また、その他の債務も含め、負債総額は40億円を超える見通し。
ボルドーワインのバブル崩壊以降、ワイン投資ファンドの破綻はここ数年世界的に起きている。日本のワインファンドも例外ではなかったようだ。
監視が全く機能していなかったのは問題だ。
約2千人から計77億4千万円を集めたとのことだが、投資対象のワイン在庫は書類上よりも大幅に少ない、約1億円分しかないという。
また、HPによれば偽造した運用実績から、成功報酬の10%を社会貢献活動に寄付していたようだ。
平成バブルに繋がった「日本の土地神話」は間違った認識だったが、「ワイン神話」も間違っていた。
ワインの世界でもボルドーワインバブルが崩壊する以前は、ワインは値下がりすることはないという「ワイン神話」があったと聞いた。
それゆえ、ボルドーネゴシアンもワイン投資家も、先物取引で毎年リスクを考えずワインを買い付けていたのだと思う。その結果が、世界中のワインファンドの破綻と、ネゴシアンの大幅な損失の計上だ。
ワインの投資を考えるなら、いわゆる「バリュー投資の罠」の他に、「流動性の罠」も存在する。もちろん値下がりのリスクもある。
商売でないなら、かなりの余裕をを持って、「売れなければ自分で飲む」ぐらいの気持ちが必要だと思う。
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