中華系が主導した2011年6月のボルドーワイン・バブルのピークから5年経過。
2014年7月に底打ちしたとみられるボルドーワインをメインとする高級ワイン市場は、はたしてボルドーワイン・バブル崩壊の負の影響を払拭し、健全と呼べるような市場環境に戻ったのか?
昨今の世界の金融市場の混乱は、ワインの収集や投資に影響を与えるのか?
高級ワインの業者間取引サイトであるLiv-exでは、いったい何が起きているのか?
そして、ワイン価格はこの先値上がりするのか?
・・・・・・・・等々、そんな高級ワイン取引の状況を、酒屋のオヤジなりに推察します。
【ワイン・インデックス2011年6月から2016年6月末までの推移】
高級ワインの業者間取引サイトである Liv-ex の指数「Liv-ex Fine Wine 100」は、6月末の時点で259.71と5月末と比べて2.12%上昇して7ヶ月連続での上昇となった。
Liv-exの取引で5月から6月にかけて最も値上がりしたのは「Ch・ポンテ・カネ2009」13.6%上昇して1ケース£1,593。次が「ヴェガ・シシリア・ウニコ2004」11.6%上昇して1ケース£1920。
最も値下がりしたのは「ギガル・コート・ロティ2010」10.2%下げて1ケース£2,610.
「ボルドー2015アン・プリムール」では、ロバート・パーカー氏(RPポイント)の後継者であるニール・マーチン氏(NMポイント)から高評価を受けた銘柄の人気が高かったようだ。
23日に行われた英国の国民投票で、英国がEUからの離脱を決めた。英ポンドは一夜にしてユーロに対して約10%下落。
英国にとってワインは大陸からの輸入品であるため、英ポンド建てでのワイン価格もまた一夜にして約10%値上がりしたことになるが、Liv-ex の指数である「Liv-ex Fine Wine 100」は明らかに値上がりが追い付いていない。
英国でのワイン需要の減少が織り込まれているのか、それとも更なる英ポンドの下落を恐れて米国や香港のワイン業者は様子見を決め込んでいるのか。
いずれにしても英ポンドで計算されるLiv-ex指数は強含むことになると推測される。そして、英ポンド相場に底打ち感が出れば、自国通貨建てで安くなったワインに米国や香港から積極的な買いが入る可能性もある。
また、英国民にとって、値上がりが英ポンド建てで追いついていないとみられる現在のワイン市場は、最も魅力的な投資対象のひとつと言えるようだ。
英国でのワイン消費は減少が予想されるが、ワイン投資の分野では逆に盛り上がる可能性もあるとみられる。
そして、日本円を自国通貨とする者にとっては、ワインの大バーゲンセールが始まっているということか。
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カテゴリー:高級ワイン市況