空売り比率は2013年あたりをボトムに上昇傾向が続いている。現在は40%を超える水準にあるようだ。
円高になれば先物主導で売られ、現物株に対して割安になるため、アービトラージの信用売りと先物買いが入ることで、空売り比率は上昇する。つまりは円高主導の空売りの増加だ。
また、高速取引を繰り返すHFTも空売り比率が上昇している一因のとのこと。もちろん個人の空売りも増加していると推測される。
さらに、これだけ空売りの比率が高い市場に、米国の名うての空売りファンドが参入してくるというから、もう日本株市場は空売りバブルと言えるかも知れない。
どれだけ名うてなのかといえば、そのファンドが空売りした22銘柄のうちの7銘柄は、価格がなんと90%以上も値下がりしているほどなのだとか。恐ろしく優秀なファンドのようだ。
<写真は日本経済新聞>
市場は時として行き過ぎる。極端な動きのゲームになるのだ。
今の状況に当てはまると思う。コンセンサスの偏りは円高と株安への「恐れ」。
この状況下で市場に参加するのなら、円高を理由に売られ過ぎているとみられる銘柄の、その買い場を探った方がチャンスがあるように思う。
「風が吹けば桶屋が儲かる」ではないが、そもそも英国のEU離脱による円高が原因で日本株が売られている。
金融市場が混乱すると円高が進む傾向にあるが、英国のEU離脱の混乱以降いろいろとあったが、日本株を除き、米国株や英国株は値を戻し、混乱と呼べる状況はたぶん投票結果発表後の1日だけだったように思う。
下落が混乱、上昇が安定とするなら、安定と言える。そして、安定なら円安に進みやすいことになる。
安定→円安→先物買い→空売りの買戻し→日本株上昇となる可能性もあるのではないか。
空売りファンドは大型株銘柄のみを対象とするとのこと。会計上の減損処理が不十分な1銘柄に、もうすでに目を付けていると言うから不気味だ。恐ろしく売りたたかれるのかも知れない。
今の市場コンディションが売られ過ぎだとすれば、注目する銘柄の「もっとも買いにくいところを買う」、もしくは「保有し続ける」しかないと思う。
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