中華系が主導した2011年6月のボルドーワイン・バブルのピークから5年経過。
2014年7月に底打ちしたとみられるボルドーワインをメインとする高級ワイン市場は、はたしてボルドーワイン・バブル崩壊の負の影響を払拭し、健全と呼べるような市場環境に戻ったのか?
昨今の世界の金融市場の混乱は、ワインの収集や投資に影響を与えるのか?
高級ワインの業者間取引サイトであるLiv-exでは、いったい何が起きているのか?
そして、ワイン価格はこの先値上がりするのか?
・・・・・・・・等々、そんな高級ワイン取引の状況を、酒屋のオヤジなりに推察します。
【ワイン・インデックス2011年8月から2016年8月末までの推移】
高級ワインの業者間取引サイトである Liv-ex の指数「Liv-ex Fine Wine 100」は、前月末から2.9%の上昇。
9ヶ月連続での値上がりで、2013年3月以降での最高値を更新した。
最も値上がりしたのがポムロールのヴュー・シャトー・セルタン2009で14.4%、次がブルゴーニュのアルマン・ルソー・シャンベルタン2010で10.8%。
その一方で、2000年や2005年、2009年、2010年などのボルドー・グレート・ヴィンテージの多くが値を下げた。
またイギリス産のスパークリングワイン、ナイティンバー・クラシック・キュヴェ2010が初めてLiv-exで取引されたことが話題となった。
Liv-exは英ポンド建てで取引される。英国のEU離脱による英ポンド急落の影響は、まだ継続しているようだ。英ポンド建てでのワイン価格は上昇しているが、他の主要通貨国から見れば、まだ割安感ある水準にある。
7月はボルドーのグレート・ヴィンテージが買われたが、英国国民投票後の値上がり率は、ボルドーワインでも割安感のあるオフ・ヴィンテージが大きい。
Liv-exによればボルドー2013年+32.7%、2006年+26%、2004年+25.5%、2007年+25.4%、2008年+24%、2011年+23.1%、2012年+23%。
一方のグレート・ヴィンテージは2005年+10.4%、2009年+13.7%、2010年+17.4%。
もちろんオフ・ヴィンテージは価格が安い分、値上がりの割合は大きくなる傾向があるのかも知れない。
8月に入り、英ポンド下落の動きは明らかに落ち着きを取り戻している。英ポンドは主要国通貨に対してやや強含みの展開だ。
為替市場でのトレンドが変われば、今度はワインが英ポンド建てで値下がりし、他の主要国通貨で値上がりすることになる。
日本円建てのワイン価格は、これまで値下がり幅がもっとも大きかった。英ポンドが日本円に対して最も値下がりしたからだ。
それがもし、英ポンドの上昇局面となれば、もっともワインが値上がりするのは日本円建てということになるのかも知れない。
※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります
投稿日:2016年9月4日
カテゴリー:
高級ワイン市況