おそらく日本在住の日本人として初めてマスター・オブ・ワインとなられた大橋健一氏。
その大橋氏によるギリシャ・ワイン・セミナーに参加させていただきました。
ギリシャ原産の土着品種が90%を占め、ひとつのブドウ農家の栽培面積がワイン生産国の中でもっとも小さい。
また、自分で飲むワインは自分で造る文化を持つギリシャでは、まるでギリシャの大金持ちの収入と同じように(笑)、まったく世界のワインに関するデータとして出て来ないのだとか。
大橋氏の話によれば、今もっとも世界から注目されているワインがギリシャ・ワインなのだそうです。世界の大都市のソムリエさんで、ギリシャ・ワインが語れないのは、かなりイケてないらしい。
テクニカリーな難しい話はさておいて、ざっくりとしたギリシャ・ワインの印象は、まるでイタリア・ワイン。
それでも、フランスワインがイタリアから伝わり、イタリアワインがギリシャから伝わったことを考えれば、イタリア・ワインがギリシャ・ワインに似ていると言えるのかもしれません。
そんなギリシャ・ワインを代表するワイン・メーカーが大橋氏が推奨する「キリ・ヤーニ」なのです。
テイスティングさせていただいたのは白2種類と赤3種類。
白ワインの方はロディティスというギリシャの品種に、マラグジアやソーヴィニョン・ブランをブレンドしたもの。
両方とも香り高く、軽やかでやわらかくクリーン。フレッシュさのある北イタリアの白ワインを彷彿とさせる印象。ちょっと違うのは、最後にやや苦味をかんじるところでしょうか。
話によれば、ギリシャの料理には、ほぼ必ずレモンが使われるのだそうで、そのレモンの風味と白ワインのほのかな苦味が絶妙に合うのだとか。
赤ワイン3種のうち、2種類はやはりギリシャの品種クシノマヴロ100%のもの。
この「クシノマヴロ」はプロでもイタリアの高級品種「ネヴィオーロ」と区別がつかないブドウ品種。
ソムリエさんのブラインド・テースティングで「ネヴィオーロだと思ったらクシマヴロである可能性を疑え」と言われているほど似ている品種なのだそうです。
エーゲ海に近い産地PDOナウサはバローロの印象。内陸部のPDOアミンディオはバルバレスコの印象。
しかし価格は、ものにもよるが半値以下というから素晴らしい。
このあたりも、今ニューヨークでもっともクールなワインと言われる理由でしょうか。
個人的は両方ともにタンニン分がガッツリと感じられるため、若いヴィンテージで楽しむのはもったいない、と感じた次第です。
日本でもイケてるソムリエさんはギリシャ・ワインを選ぶことになるんでしょうかね。
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