中華系が主導した2011年6月のボルドーワイン・バブルのピークから4年以上経過。
2014年7月に底打ちしたとみられるボルドーワインをメインとする高級ワイン市場は、はたしてボルドーワイン・バブル崩壊の負の影響を払拭し、健全と呼べるような市場環境に戻ったのか?
昨今の世界の金融市場の混乱は、ワインの収集や投資に影響を与えるのか?
高級ワインの業者間取引サイトであるLiv-exでは、いったい何が起きているのか?
・・・・・・・・等々、そんな高級ワイン取引の状況を、酒屋のオヤジなりに推察します。
【高級ワイン・インデックスの2010年9月から2015年9月末までの推移】
高級ワインの業者間取引サイトである Liv-ex の指数「Liv-ex Fine Wine 100」は9月末の時点で242と、8月末から変わらず。
Liv-ex の取引で9月に最も値上がりしたのがシャンパーニュの「クリスタル2004」。8%の上昇で1ケースは£1,308で取引された。
シャンパーニュは「ドン・ペリニョン2006」や「テタンジェ2006」のリリースがあった。年末の需要期を控えているためかシャンパーニュ市場が活気づいているようだ。
また、カリフォルニアの「オーパス・ワン2012」、スーパータスカンの「マセット2012」、チリ・ワインの「アルマヴィーバ2013」のリリースもあった。
特に注目されたのが、「オーパス・ワン2012」で、2003年以降で最も評価が高いにもかかわらず、リリース価格はほとんど最安値の1ケース£1,800。
その後のセカンダリー市場では、この分かりやすいお得感により、好調なパフォーマンスとなっているようだ。
また、割安感のあるボルドーにも静かながら買いが入っているようだ。
「モンローズ2010」のパーカースコアが100点へ上方修正されたことにより、当初は同じ100点の「モンローズ2009」から38%ディスカウントの価格だったが、18%のディスカウントまで価格差が縮小しているとのこと。
「特にボルドーなど大きく値下がりした割安感ある銘柄を、警戒心を持って買う」というのがこのところの市場のコンセンサスのようだ。
若いボルドーワインのネゴシアン在庫は依然として多いと推測される。また世界的に大きな需要が見込める状況にないとも推測できるためか、少量ずつ警戒感を持っての買いに留まっており、高値追いで買い上げるような状況にはないようだ。
それでも、ボルドーワインの今後の価格動向の指標であるLiv-ex のビッド/オファー・レシオはその水準を切り上げているようで、今後のボルドーワイン価格の上昇を示唆しているとのこと。
高級ワインの主力であるボルドーのワインはこの先も堅調に推移しそうだが、大きく値を飛ばすような状況にはないようだ。
また、割安感のある銘柄は買われ、そうでない銘柄は見送られるこの傾向は、ボルドーワインの価格を平準化に向かわせるとみられる。
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カテゴリー:高級ワイン市況