酒類専門の情報サイト「ザ・デキャンター.com」に、伝統的な高級ボルドーワインの流通方法である、ボルドーのネゴシアンによる「ラ・プラース・ドゥ・ボルドー(La place de Bordeaux)」を通じながら、独自の販売スタイルで成功しているカリフォルニアの高級プレミアム・ワイン「オーパス・ワン」の話が掲載されておりました。
【オーパス・ワン】
フランスのバロン・フィリップ・ドゥ・ロスチャイルドと、アメリカのロバート・モンダヴィのジョイント・ベンチャーであるオーパス・ワンがラ・プラース・ドゥ・ボルドーを通じた販売を行うようになったのは2004年。
ロバート・モンダヴィのオーパス・ワン保有株がブランドの保有団体に売却され、CEOとしてデービッド・ピアーソンさんが就任したの年と重なります。
2004年以前には各主要な市場に独占的にオーパス・ワンを扱う輸入業者があり、約16%が輸出向けだった。それが今では52%まで輸出向けが増えいるのだそうだ。
ラ・プラース・ドゥ・ボルドー経由にしてからは世界市場へのアクセスが迅速になり、そしてオーパス・ワンのブランドはさらにファンを増やしたのだそうだ。
しかし、オーパス・ワンのラ・プラースの利用法は、その他のほとんどのボルドーワインとはちょっと違っていたのです。
オーパス・ワンが選んだ販売方法はアン・プリムールのびん詰め前の先物契約や、トランシェと呼ばれる小出しではなく、毎年決まった日にすべてをラ・プラースに持ち込む方法。
収穫から3年後の9月最初の月曜日、午前8時にラ・プラース・ドゥ・ボルドーの22のネゴシアンに運びこまれ、そこから販売が始まることになる。
伝統的流通システムを利用することにより世界から注目される利点も得られ、また需要の強い地域に供給量を多くするようなコントロールが自社によってできる。
従来通りのラ・プラース・ドゥ・ボルドーの流通方法では、需要の強弱により価格が大きく変動しすぎるリスクがあった。
ボルドー以外の高級ワインはオーパス・ワンの流通方法に追随するとみられ、サシカイヤやマッセート、ボーカステルがラ・プラース・ドゥ・ボルドーの流通に入ってきているようだ。
ラ・プラース・ドゥ・ボルドーの利用についてピアーソンさんは「ラ・プラースはブランド力を築くためのシステムではない。すでにブランド力のあるワインでなければならない。」と。
22のボルドーのネゴシアンの伝統ある流通の仕組み「ラ・プラース・ドゥ・ボルドー」。従来通りの仕組みを利用している左岸の高級ボルドーワインにとっては低迷の原因とも言えますが、アプローチの仕方次第では、オーパス・ワンのようなすでに知名度の高い高級ワインにとってベストな流通方法になるようです。
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