2011年6月のピークから3年。中華系が主導したボルドーワイン・バブルは崩壊した。
2014年7月に底打ちしたとみられるボルドーワインをメインとする高級ワイン市場は、ボルドーワイン・バブル崩壊の負の影響を払拭したのか。
また、世界の主要国の株高による富裕層の増加にともない、ワイン収集やワイン投資などの人気は盛り上がるのか。
そんな高級ワイン取引の状況を、酒屋のオヤジなりに推察してみたいと思います。
先月で終了した「グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?」を引き継ぐブログ記事です。
【高級ワイン・インデックスの2010年4月から2015年4月末までの推移】
高級ワインの業者間取引サイトである Liv-ex の指数「Liv-ex Fine Wine 100」は、4月末の時点で242.00と3月末から0.4%の値上がり。小動きながら2月の中華系の春節に付けた高値に迫りつつある。
3月中旬から4月の中旬にかけてLiv-exで値上がりの大きかった銘柄は、ブルゴーニュのドメーヌ・ポンソ クロ・ド・ラ・ロッシュVV2011 +8.4%でDRC2011とともに買われた。他には、シャトー・パヴィ2005 +6.0%、シャトー・パルメ2005 +5.3%とボルドー 2005ヴィンテージ。
一方、値下がりの大きかった銘柄は、オルネライア2009 -9.4%、マッセート2010 -7.4%と、リリースされたばかりで、このところ値上がり傾向にあったスーパータスカンが売られた。
2012ヴィンテージ・ワインのパーカースコアが上方修正されたことや、ボルドー2005ヴィンテージの評価の上方修正が予想されいることから主に買われたようだ。
2012年ヴィンテージで最も評価の高いワインはオー・ブリオンで4点の上方修正で98点。
現在最も注目を集めている、ボルドーワイン2014ヴィンテージのアン・プリムールからは、今のところほとんど影響を受けていないようだが、2014ヴィンテージのシャトーからの出値は、概ね非常に魅力的に感じられる。
明らかにここ数年で最も品質の高い2014年ヴィンテージが、昨今のユーロ安により、特にイギリスやアメリカにとって、概ね魅力的な水準のようだ。
今回の2014ヴィンテージのアン・プリムールを象徴しているのがシャトー・ムートン・ロートシルト2014の出値。あるイギリスのマスター・オブ・ワインは、「真のオープニング価格だ」と評価している。
品質が明らかに良いにもかかわらず、ここ10年間のほとんどのヴィンテージの市場価格よりも安い価格提示となった。
ボルドーワイン市場に底打ち感のあるなか、ボルドーで最もブランド力の高いワインの一つであるムートンの影響力は強いとみられ、「ムートン2014は買いだ!」との印象を市場にもたらす可能性は高いとみられる。
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カテゴリー:高級ワイン市況