グランヴァン市場はオランダのチュウリップになるのか?その2

グランヴァン価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで、2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、そのバブルは崩壊するのか?を考えてみたいと思います。今回はその2回目。

ボルドー2010年ヴィンテージの「アン・プリムール」と呼ばれる先物取引では、各シャトー超強気の価格提示。ボルドーの代表銘柄とも言えるシャトー・ラフィット・ロートシルトでは、トランシェと呼ばれるオファーで初回が1本€600、2回目が1本€1,000と値上げ中。オファーの量も少ないのだそうです。

 ネット上の専門誌「ザ・ドリンクス・ビジネス」に掲載されていた、英国ワイン商ベリーブラザーズ&ラッドのセールス&マーケティング・ディレクターであるサイモン・ステープルさんのコメントでは「ボルドーワインのバブルは崩壊しない。」とのこと。2010年ものの売れ行きも好調で、銘柄によっては既に売れ切れもでているのだとか。それもアジア以外の買い手がほとんど。

ステープルさんは、「ワイン・バブルは崩壊しない」と言っていますが、「バブル」という言葉を使っているのは、ボルドーワインがバブルであることは認めるところなのだと想像されます。

グランヴァンを買いたい人が減っても、ワインを損をしてまで手放したい人が出てこなければ、グランヴァン価格の値下がりとまではならないのです。例えば勇気のあるワイン投機家が、知恵を搾ってバブルであるグランヴァン市場に空売りを仕掛けたとしても、その構造上アッという間に締めあげられてしまう可能性が高いのです。

では、どこまでも限界なく価格が上昇して行くのかと言えば、そんなことは絶対にありません。どこかで、より大きな渦に巻き込まれるがごとく調整を迫られるのだと思います。中国か?米国か?そのより大きな渦とは何かは、誰にもまだ分からないのです。

リーマンショックの時にグランヴァン価格は、他の金融資産と同様に大きく調整しました。そのリーマンショック並みの状況の変化がグランヴァン価格の調整には必要なのでしょう。

でも、しばらくはグランヴァン市場の高値での推移は続きそうです!

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