グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたして「グランヴァン市場はバブルなのか?」もしそうなら、「今後そのバブルは崩壊するのか?」を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその27回目。
【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2008年9月から2013年9月末までの推移】
2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、デイリーベースで2012年11月13日まで約34%下落。その後は一方的なリカバリーに転じ3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。
それ以降ダラダラとなだらかな下げが続き、3月の戻り高値から5%ほど下げたところで、8月の後半から9月の前半にかけてやや値を戻したが、上値は重く再び売り込まれた。
現在は3月の戻り高値からは6%ほど低い水準でダラダラとしたダウントレンドが継続している。
市場の傾向に変化はなく、ハイエンドの左岸ボルドーワインは値下がり傾向にあり、他の流通量の低い右岸ボルドーやDRC、シャンパーニュ、スーパートスカーナなどが堅調に推移している。グランヴァン市場全体では流通量の多い左岸ボルドーの影響は大きく上値の重い状況が続いている。
ボルドーワイン価格を押し上げた中国のワインバブルが弾けて数年が過ぎたが、中国では今年さらに高級ワインの需要が落ち込んでいるようだ。最大需要期である秋の連休シーズンのハイエンド・ワインの売り上げは、人気のワイン小売チェーンでなんと40%を超える減少なのだとか。
2001年から2012年までの間は、たくさんのお客さんが押しかけて来て、高級ワインを商売のためのギフト用に求めたのだが、今年の秋は状況が一変しているとのことだ。
昨晩のTVでは、行き過ぎた中国の拝金主義に多くの人達が幻滅しており、国民はキリスト教や儒学に救いを求めていると伝えておりました。
不道徳極まりないような大人の玩具を販売して大金持ちになり、その金でやみくもに高級ワインを買い漁ったり、商売のためのいわゆる賄賂として権力者に高級ワインが贈られたり、中国での高級ワインのほとんどが偽物だったりといった状況に、高級ブランドワインに対しても中国国民が幻滅しているのかも知れません。
中国がけん引役となって金属や高級ワインの価格を押し上げた、ここ10年ぐらいのスーパーサイクルの終えんは、やはり中国がけん引役となり相場を押し下げることになるのかも知れません。
ボルドーの偉大なヴィンテージである2009年や2010年が、一方的にどこまでも値下がりし続けると考える人はいないと思いますが、2009年、2010年への買いの急所を探るヒントは中国にあるのかも知れませんね。
”人の行く裏に道あり花の山”でしょうか。
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