グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその23回目。
【グランヴァン(ほとんどボルドー)ワイン・インデックスの2008年7月から2013年5月末までの推移】
2011年6月28日にピークを付けたインデックス価格は、2012年11月13日まで約34%下落。その後は一方的なリカバリーに転じ3月15日には安値から約12%高い水準まで値を戻した。その後は横ばいよりもやや弱含みな推移の、価格変化に乏しい模様眺めの状況が続いている。
ボルドーワイン2012年ヴィンテージのアン・プリムール(先物取引)キャンペーンは不調。
多くの買い手にとって2012年ヴィンテージの価格は高過ぎると感じるようだ。2009年、2010年ヴィンテージと続いた高評価の年に高値で既に大きく買い付けていることもあり、ほとんどのワイン商が2012年ヴィンテージでのアン・プリムールへの参加を見送った。
また、このころからワイン取引のオファーとビットの差が開いている。売りたい人は高値で売りたいし、買いたい人は安くなれば買っても良いという状況。
アン・プリムールで最高値でのリリース価格となった2010年ヴィンテージワインの取引シェアが大きくなってきたことも市場を上値の重い状況にしているようだ。高級ワインの業者向け取引プラットフォームであるLiv-exではボルドーワイン全体の取引量の約30%を2010年ヴィンテージが占めているとのこと。
2011年、2012年ヴィンテージと続くアン・プリムールの不調のためか、ワイン商が2010年ヴィンテージの現金化に動いているとのこと。
2009年、2010年ヴィンテージのアン・プリムールでは高値で大量に買われた。続く2011年、2012年ヴィンテージでは価格の割高感があるため、値下がりしない限り買い手が不在の状況。これでは、しばらく弱含みの展開が継続すると予想するべきでしょう。
ところで、今日の新聞にイングランド銀行が「史上最大の国債バブル」が混乱した状態ではじけることへの警戒感を表明したとの記事が載っておりました。
いつの日か終わりを迎える不況を回避するための大量の資金注入も、終わり方が 悪ければ、その時こそは本当にワイン市場も巻き込まれてのオランダのチューリップになってしまうかも知れませんね。
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カテゴリー:高級ワイン市況