グランヴァン(ほとんどボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その42

 

 

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格は、ブラックマンデーすぐ後の1988年からインデックス・ベースで2011年6月まで約20倍に高騰。

ピーク時にはシャトー・ラフィット・ロートシルト2008ヴィンテージのボトルに、当時最大の販売先であった中国の繁栄の意味「八」を刻むとのニュースが伝わったことから、ラフィット2008が大きく買われ、グランヴァン市場の価格を一気に押し上げて相場のピークを形成。

その後は中国でのバブルの縮小と歩調を合わせるようにボルドーワインは値を下げ続けた。

中国が主導したボルドーワイン・バブルは2011年6月をピークに崩壊した。

今後は、「はたしてグランヴァン市場はバブル崩壊を乗り越えたのか?」みたいなことを酒屋のオヤジなりに推察したいと思う。今回はその42回目。

Dec14ワイン

 

 

 

 

 

 

 

 

【グランヴァン(ほとんどボルドー)・インデックスの2009年12月から2014年12月末までの推移】

12月末のインデックス価格は11月末と同じ水準で変わらず。しかし、2015年に入った途端に買われ約1%年末から上昇している。

高級ワインの業者間取引サイト Liv-ex によれば、昨年の12月に最も値を上げたのがオーストラリアの「ペンフォールド・グランジ2008」で、10.8%上昇し1ケース£3,812で取引された。

ザ・ワイン・スペクテーターと、マスター・オブ・ワインのリサ・パアロッティ・ブラウンさん率いるザ・ワイン・アドヴォケイトの両方が100点のスコア―を与えたことによる。

また、「シャトー・ムートン・ロートシルト2005」のパーカーポイントが96から99+に引き上げられたことにより、6.5%上昇し1ケース£3,790で取引された。

Liv-ex での取引は再びボルドーワインの取引比率が増加に転じているようだ。香港で開催されるオークションでは、中国の正月である春節をひかえていることから「ひつじ」のラベルのトップ・ブランド・ワインであるシャトー・ムートン・ロートシルトが積極的に蔵出しのコレクションを出品するとのこと。

ボルドーワイン相場の今後を占う上で注目されるのが、春に行われる2014年ヴィンテージのアン・プリムール(ボルドーワインの先物契約)と、このところのドル高と、経済が好調なアメリカのバイヤーの動向。

アメリカのバイヤーは、特に価格とヴィンテージに敏感であり、ワインのトレードに関して最近ではイギリスなどよりも上手なのだとか。相場が下がった今、ボルドーのトップ・ブランドの、トップ・ヴィンテージである2009年、2010年を買っている。

ボルドーワイン価格の下落とドル高で、価格とヴィンテージに敏感なアメリカ人にとっても、魅力のある水準に達した様子。

また、春のアン・プリムールに関しても、市場のコンセンサスは楽観的なようで、シャトー側は説得力ある価格を提示するのではないかとみられているようだ。

近年のヴィンテージのボルドーワイン価格は下げ止まったというのが市場のコンセンサス。

2014年ヴィンテージのアン・プリムムールまではじり高で推移、その後はアン・プリムールの結果次第なのかも知れないが、再び上値を試すというのがベストなシナリオとみられる。

 

 

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