「高級ワイン市況」ビットコインかワインか?

 

 

中華系が主導した2011年6月のボルドーワイン・バブルのピークから5年以上経過。

2014年7月に底打ちしたとみられるボルドーワインをメインとする高級ワイン市場は、はたしてボルドーワイン・バブル崩壊の負の影響を払拭し、健全と呼べるような市場環境に戻ったのか?

昨今の世界の金融市場の混乱は、ワインの収集や投資に影響を与えるのか?

高級ワインの業者間取引サイトであるLiv-exでは、いったい何が起きているのか?

そして、ワイン価格はこの先値上がりするのか?

・・・・・・・・等々、そんな高級ワイン取引の状況を、酒屋のオヤジなりに推察します。

 

 

 

 

 

 

 

 

【ワイン・インデックス2012年2月から2017年2月末までの推移】

高級ワインの業者間取引サイトである Liv-ex の指数「Liv-ex Fine Wine 100」は、前月末から0.4%の小幅な上昇。

Liv-exで前例のない15ヶ月連続での値上がり。前年同月比では24%の上昇。2011年10月以降では最高値まで値上がりしている。

1月から2月にかけて最も値上がりした銘柄はポムロールの「ヴュー・シャトー・セルタン2009(WA 99)」で10.4%上昇して1ケース£2,545。続いて同じ右岸サンテ・ミリオンの「Ch・シュヴァル・ブラン2006(WA 97)」が7.4%の上昇で1ケースは£3,760。

一方、最も値下がりした銘柄は1月に大きく値上がりしたペサックレオニャンの「スミス・オー・ラフィット2009(WA100)」で、下げ幅はリリース以来最大の5.1%。1ケースは£1,925で、継続的な上昇には至らなかった。

「ビットコインかゴールドか、それともワインか?」軟調な英ポンド建てで取引されるLiv-exのワイン価格に対する割安感から、買われて上昇しているワイン価格だが、主導している買い手は今回もまた中華系のようだ。

近い将来米国金利は上昇するとの見通しもあり、さらなる人民元の先安観を背景に、ビットコインと同じようにワインが買われているようなのだ。またワインはゴールドと同じ実物資産でもある。

中華系に好まれるボルドーの五大シャトーの取引が多く、その中でも中華系にもっとも好まれる「Ch・ラフィット・ロートシルト」の取引額が大きい。またボルドーワインだけに限定されずブルゴーニュなどへの買いも入っているとのこと。

 

 

 

 

 

 

<日本経済新聞の記事「ビットコインの値動き」>

中国の個人取引が9割を占めるというビットコインのドル建て価格は最高値を更新。2014年ごろからの値動きはLiv-exのワイン・インデックスの変動パターンに似ている。

両方ともに価格上昇の背景には同じ人民元に対する先安観があり、資産の逃避先としての対象のようだ。

人民元に対する先安観が払拭されない限り、安全資産としてビットコインと同じようにワインも堅調に推移するということなのか。

また、ボルドー2016年ヴィンテージのアン・プリムールが数か月後に迫っている。ボルドー2016はブルゴーニュなどとは対照的に大豊作と伝えられている。天候に恵まれて大豊作なら、その品質も期待できるということなのかも知れない。

値下がりするような理由は今のところなさそうだ。

 

 

 

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