中華系が主導した2011年6月のボルドーワイン・バブルのピークから5年以上経過。
2014年7月に底打ちしたとみられるボルドーワインをメインとする高級ワイン市場は、はたしてボルドーワイン・バブル崩壊の負の影響を払拭し、健全と呼べるような市場環境に戻ったのか?
昨今の世界の金融市場の混乱は、ワインの収集や投資に影響を与えるのか?
高級ワインの業者間取引サイトであるLiv-exでは、いったい何が起きているのか?
そして、ワイン価格はこの先値上がりするのか?
・・・・・・・・等々、そんな高級ワイン取引の状況を、酒屋のオヤジなりに推察します。
【ワイン・インデックス2012年1月から2017年1月末までの推移】
高級ワインの業者間取引サイトである Liv-ex の指数「Liv-ex Fine Wine 100」は、前月末から1.25%の上昇。
Liv-exでは前例のない14ヶ月連続での値上がりとなった。前年同月比では25.3%の上昇となる。
下落している英ポンド建てではあるが、中華系が主導したボルドーワインバブルに近い価格水準であり、いくつかのボルドーワインはその高値水準を抜けて最高値を付けている。
昨年の12月から1月にかけて最も値上がりしたのは「ギガル コート・ロティ2012(WA100)」で11.0%上昇して1ケースは£2,101。次がペサックレオニャンの「スミス・オー・ラフィット2009(WA100)」で7.3%上昇して1ケースは£2,028。
「DRCラ・ターシュ2012」も6.5%値上がりして1ケース£23,624となった。また「Chパヴィ2009(WA100)」は5.4%上昇して最高値を更新、1ケースは£3,100。
引き続き英ポンド安を背景に、米国や香港など他の通貨の国からの高評価ワインやトップブランドに対しての買いが主導しているとみられる。
その結果として中華系のボルドーワインバブルの中心的な銘柄であった「Chラフィット・ロートシルト」の特に2008年ヴィンテージは、他のトップブランドワインに対して割高感が薄れて来ている。
ブランドよりも評価の上方修正に対して敏感に反応しているようだ。
他方、ブルゴーニュ2015年ヴィンテージのアン・プリムールが、ブルゴーニュワイン価格の押上げ要因となっているようだ。
2015年ヴィンテージの現段階での評価はかなり高い。そして、その価格も特に英ポンド建てではかなりの高水準。供給の少ないブルゴーニュワイン市場をさらに堅調にさせている模様。
「ドミニク・ローラン シャンベルタン2006」「アルマン・ルソー シャンベルタン2014」「DRCロマネ・コンティ1996」あたりに買いのビッドが入っていたとのこと。
為替相場次第ではあるがブルゴーニュのトップブランド、もしくはブルゴーニュ高評価ワインに関しては、まったくもって弱気になりにくい状況とみられる。
※こちらの商品は現在取り扱いがない場合があります
カテゴリー:高級ワイン市況