グランヴァン(ボルドー)市場はオランダのチュウリップになるのか?その9

グランヴァン(ボルドー高級ワインがメイン)価格はブラックマンデーすぐ後の1988年からボルドーワインのインデックス・ベースで2011年までに約20倍まで高騰。はたしてグランヴァン市場はバブルなのか?もしそうなら、今後そのバブルは崩壊するのか?を酒屋のオヤジなりに考えます。今回はその9回目。

 

 

 

 

 

 

 

 

 2001年からの高級ボルドーワインインデックス(Liv-ex Fine Wine 100 Index)のチャートとトレンド・チャンネル・ライン。

 

 

 

 

 

 

 

 

2012年1月21日からの2012年4月21日までの高級ボルドーワインインデックス(Liv-ex Fine Wine 50 Index)チャート。

年が明けて株式市況、商品市況とほぼ全ての市場で価格は底打ちし上昇に転じました。しかし3月に入ると、今度は一転してほぼ全ての市場が調整ムードとなりました。高級ボルドーワイン市場もまた動きを同じくしており、今年になって上昇した分の範囲内で調整を続けております。

“Sell in May and go away”の相場格言が話題に上っていた2月の終わりに、ほぼ全ての市場で価格が下がり始めたのは、やはり価格上昇に対する市場参加者の、強気になりきれない市場心理を反映したからではないでしょうか。

さて高級ボルドーワイン市場ですが、ワイン専門誌のデキャンター.comによりますと、有名なワイン投資会社を含む50以上のワイン投資会社が運用の失敗により倒産している、もしくは倒産に至る可能性が強いのだそうだ。

その失敗により、この4年間でワイン投資家は約132億円(£1億)を失ってしまったとのこと。

金融の典型的な詐欺なのですが、ワイン投資会社の中には投資家から資金を集め、その後投資も返還も行われていなかったり、高級ボルドーワインの先渡し取引であるアン・プリムール販売で購入資金だけを受け取っただけの会社もあったのだそうだ。

ワイン投資を取り巻く環境は、初めて厳しくなってきたようです。

また、先日のブログでも書いたのですが、中国では高過ぎる高級ボルドーワインから、割安感のあるワインへ人気が移っているとのことで、2008年のCh・ラフィットを買い上げたようなボルドーバブルは今後しばらく期待できないようです。

南ヨーロッパでの金融危機の影響もあり、ひょっとしたら資金繰りに困った高級ボルドーワイン保有者が売り急ぐ場面も出てくるのかも知れません。

問題はそうなったときに誰が買うの?ってことでしょうか。

傷ついたワイン投資会社のパフォーマンスと信用、中国での高級ボルドーワイン・バブルの崩壊、供給量があるわりにまだまだ割高感のある高級ボルドーワイン価格・・・・・・・・・・・・となかなか強気になれないグランヴァン市場です。

 

 

 

 

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