ワイン専門誌デキャンター.comによれば、高級ワイン取引所Liv-exでのボルドーワイン価格が昨年の後半の半年で大きく値を崩しており、その中でもCh・ラフィット・ロートシルト2008の下落幅が大きいとのこと。
平均的なボルドーワイン価格の下落幅は22.5%ほどで、リーマンショック以後では最大の下げ幅。特にそれまで大きく買い上げられたトップクラスのボルドーワインとそれらのセカンド・ワインの値下がりが大きい。
最も下げ幅の大きいワインの一つが2010年の末に中国系の需要で大きく買い上げられたCh・ラフィット・ロートシルト2008。2011年1月には平均で1ケース£14,043で取引されていたのが、昨年末には£8,108まで約45%の下げとなった。日本円建てでは対BTポンドでも円高が進行しているため本当に半額になったようだ。
2010年10月にCh・ラフィット・ロートシルト2008のボトルに繁栄をもたらす中国で縁起の良い数字の「八」が刻まれると発表され、一夜にして価格が20%上昇したこととは正反対の展開。
また、トップブランドのワインが高値にあった頃に、出遅れ感から買われ急上昇したトップブランドのセカンドワインの値下がりも激しい。Ch・マルゴー・パピヨン・ルージュ2008もこの半年で約半値となった。
2010年当時、中国での最高の贈り物とされた2008年ヴィンテージの高級ボルドーワインのバブルは、中国の経済成長が調整期に入り、国内のインフレの鎮静化と共にはじけ去ったのかも知れません。
もともと2008年ヴィンテージは偉大な年というわけではなく、ラフィットがボトルに「八」を刻んだように、中国での贈り物に最高といった理由で値段が高かったわけで、他のワイン愛好家にとっては異様に割高感が高かったわけです。
香港で急増している、中国でのワイン需要の増加を当て込んだワイン取引業者にとっては、日本の不動産バブル崩壊ほどではないにしても在庫が大きければ大変です。
「八」の字が刻まれたCh・ラフィット・ロートシルト2008は、今後中国でのバブルの象徴となるかも知れませんね。ある意味、価値のある記念ワインかも知れません。
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